Realm Royale 所感

この頃は本当にバトルロイヤルルールのシューターが多い。あたかも雨後の筍を彷彿させる。「PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS」(以下、PUBG)の歴史的業績はベンチャーから大手まであらゆるゲームデベロッパを誘惑した。今日「バトルロイヤル」はコンピュータやモバイルの別なくもはやゲームジャンルの名称として成立している。

「Paladins」や「SMITE」で有名なHi-Rez Studioが開発した「Realm Royale」もその一つだ。またぞろ有象無象のコピーキャットが増えたのかと思いきやそうではなかった。なんでも試作段階にも関わらずTwitchで他のゲームを抑えて最大の視聴者数を獲得したと言う。

今となってはあまり知られていないが、かつてスポーツ系FPSプレイヤーたちに愛されていた「Tribes:Ascend」を開発した会社という事もあって、僕はさっそく友人を巻き込んでプレイしてみようと考えたのである。Shazbot!

聞けばこのゲームはPaladinsの特別ルールを個別の作品に仕立てたものらしい。そう言われるとやっつけ仕事感が拭えないが、実際にプレイしてみるとフィールドやバイオームが意外に作り込まれている様子に気づく。ロビーから出ると草原や湿地のみならず、砂漠や積雪地までもが眼前に広がる。

プレイヤーは他のバトルロイヤルゲームと同様に、それぞれの家屋や定位置に置かれているアイテムを宝箱から入手する形で集めていく。防具や武器はもちろんのこと、ロビー画面で選択したクラスの専用スキルも拾わなければ利用できない仕組みだ。落下直後は小さいナイフしか持っていないので戦闘力は皆無に等しい。

一方、全てのクラスが保有している移動スキルだけは最初から使えるため逃避手段として利用できるほか、PUBGでは実質役に立たない近接武器も本作では活用できる作りになっている。事実、装備が揃わない序盤では剣がかなり強力だ。

特にWarriorやAssassinといったクラスの移動スキルは敵への急接近が非常にたやすく行えるので、それらを相手に遠距離武器を過信していたらあっという間に斬り刻まれて死んでしまうだろう。他にも敵の移動速度を大幅に下げたり、タックルを仕掛けてダメージを与えつつ接近するスキルなどもあり、他のゲームほど長距離の優位性は感じられない。

その最大の理由は本作特有のダウンシステムにある。通常、他のバトルロイヤルゲームでは味方が体力を失うとその場にダウンするが、この作品ではなんとキュートなニワトリに変化するのだ。この状態に陥ると完全に無力なので逃げ惑うしかない。三十秒間、とどめを刺されなければ復活できる。

つまり、乱戦や長距離で運悪く殺されてしまっても再挑戦の機会が与えられていると言える。これはありそうでなかった発想だ。プレイヤーは危険を冒してでもニワトリを追って殺しにいくか、まだ生きている敵を優先するかの二択を迫られる。

あまりにも保守的な動きだとたとえ全員殺しても次々に復活されてしまうので、PUBGでは堅実と評される駆け引きも本作ではほとんど意味をもたらさない。ちんたらした撃ち合いがどうにも苦手な僕にとってはうってつけの設計に感じる。

独自の特徴といえばForgeの説明も欠かせない。不要なアイテムを分解したり敵を殺すとShadeと呼ばれる通貨が手に入る。それをマップに点在するForgeで消費すると最上位の防具やクラス専用の武器を鍛造できるのだ。生成には約一分間かかる上に煙で周囲に悟られてしまうため、場所とタイミングを誤ると集中砲火を浴びかねない。

一番右のクラス専用武器は敵を殺していないと鍛造できない。消極的なプレイは不利を生む。

完成までの時間はその場で判りやすく目視できる。

このゲームに施された創意工夫はこれらだけではない。従来の同ジャンルにありがちだったストレスや不公平性を極力取り除こうとする姿勢が強くうかがえる。なんといってもバトルロイヤルは娯楽性におもねったジャンルなのだから気楽に越した事はない。

まず開始してすぐに気づいたのは予め最初のエリアが明示されている点だ。他のタイトルでは落下した後に表示されるので不公平感が否めなかったが、予め教えられていれば完全に自己の判断で決定できる。味方が置いたマーカーがフィールド上に大きく光源として表示されるのも地味に嬉しい。

特にいつでも無条件で馬に乗って高速移動できるところは素晴らしい。PUBGをプレイしていて移動中ほど気だるさを感じる時はない。どんなバトルロイヤルゲームでも明らかなストレス源の一つだ。本作はその問題点をランダムリスポンのビークルよりさらに踏み込んだ形で解決してみせた。

常に乗り物を使えるとなれば追跡や逃亡、捜索の可動範囲も大いに広がる。ストレスの軽減だけでなく戦略性にも寄与する良い特徴だと思う。このゲームがいかに研究を重ねて作られているかが判る。いたって真面目な作品だ。

以上のように「Realm Royale」はこれまでの同ジャンルになかった多様性、快適性、戦略性を備えている。アルファ段階でこれほどの完成度なのだから将来はバトルロイヤルゲームの主要タイトルとして名を連ねていても不思議ではないだろう。手軽に遊べるシューターとして皆に勧めたい。