ページをめくり続ける

昨日、インターネット上の友人らとの会話で人間関係の不和が話題にあがった。そのうちの一人曰く大学の学友に幼稚な振る舞いをする人たちが多く、付き合いがたいとの話だった。なんでも未成年の身分で飲酒行為を婉曲的に称揚したり、単純に雑談の中で品性に欠ける様子がたびたび見られたらしい。

僕はその会話にはあまり積極的には加わらずほとんど黙って聞いていた。成人にも満たない子供のする事にいちいち注文などつける気にはならない。学生時代の知人に大麻を栽培して捕まった人がいるが、あれでさえ大して驚きはしなかった。少々の飲酒や猥談で済むのならまさしく児戯に等しい。

それ以降も各々の人間関係にまつわる会話が交わされ、最終的に自身に害をもたらすかもしれない人間とは極力付き合うべきではないとの結論に達した。確かに常識的な見解だ。合理性や利益を考えたら至極まっとうな意見に感じられる。… 続きを読む

涙は流れないし警官もいない

ここ数日「小説家になろう」や「カクヨム」でランキング順にWeb小説を読んでいる。物書きの端くれとしてこの手のジャンルに思うところはもちろんたくさんあるが、結構な数が書籍化されているのも事実だ。学べるところもあるかもしれない。

ランキングのリストを眺めていくと非常に似通った設定の作品が多い事に気づく。いわゆる異世界ファンタジーだ。おおむね時代背景は中世からルネサンス時代で、ドラゴンクエストやその他のファンタジーRPGに類似した世界観を有している。

このベースに現実世界から転生する主人公や、ビデオゲーム的なギミック、ロールプレイングの強制…などの味付けと、何人もの可愛い女の子やどんな敵でも軽々と倒せる技能といったトッピングが加わり、最終的に一作のWeb小説が出来上がる。… 続きを読む

無賃労働の世界にようこそ

安倍政権の支持者に告ぐ。あなたがたが支持した政権が、昨日、僕たちを金銭に依らず働かせられる法案を衆議院で採決した。そう遠くない将来、ほぼ確実に無賃労働が常態化する世界がやってくる事になる。

どんな社会や組織でも、ずる賢い悪人は表面的にはそうと判らない名称を用いて本質をごまかそうとする。もちろん日本も例外ではない。これまで自民党が提唱してきた「働き方改革」もその典型例であった。

彼らは僕が生まれるよりもずっと昔から企業と資本家のための政党として増長してきたが、今回の件でより多くの人がそれを強く認識した事だろう。「働き方改革」とは実質的に「働かせ方改革」であり、主語は企業や資本家であって労働者ではない。… 続きを読む

スクリプトを殺し続ける日々

僕たちゲーマーはいつになっても性懲り無くスクリプトを殺し続けている。飽きもせずに。光り輝く剣を手に入れて数字を積み増しするためにひたすらそれを繰り返す。紫色や金色で彩られた名前を吐き出してくれる敵はいつでもそこにいた。

今日、各所で話題沸騰中のMORPG「Dauntless」のオープンベータが開始されたが、この日記を執筆している時点ではまだログインできない。あまりにも参加者が多すぎてサーバに入れないからだ。

映像を観る限りではモンスターハンターのようなゲームだが、今から売り出す以上は何らかの工夫や演出が凝らされているのだろう。もちろん楽しみにしている。しているが、それでもこの手のジャンルに通底したある種の白けた感情を拭いきれないでいる。… 続きを読む

銀嶺よりも高く

エベレストの単独無酸素登頂を目指していた登山家の栗城史多さんが5月21日に亡くなった。

登山は苦痛で楽しむ娯楽の典型例だ。もちろん山頂というゴールがある以上、そこに辿り着ければ嬉しい。嬉しいが、登山のコンテンツの大部分は山頂ではなく登り切るまでの過程にある。この過程が本当にただ辛いだけなら山を目指す人はもっと少なかっただろう。

山道を歩くのは疲れる。渋谷の坂道ですらだいぶ厳しい。ところが主体的に意欲を持って歩き続けていくと、疲労で苦痛が増しているはずなのに徐々にそれを自分の内側に併呑できているかのような錯覚を覚え始める。これは決して辛くなくなったわけではない。… 続きを読む