ページをめくり続ける

昨日、インターネット上の友人らとの会話で人間関係の不和が話題にあがった。そのうちの一人曰く大学の学友に幼稚な振る舞いをする人たちが多く、付き合いがたいとの話だった。なんでも未成年の身分で飲酒行為を婉曲的に称揚したり、単純に雑談の中で品性に欠ける様子がたびたび見られたらしい。

僕はその会話にはあまり積極的には加わらずほとんど黙って聞いていた。成人にも満たない子供のする事にいちいち注文などつける気にはならない。学生時代の知人に大麻を栽培して捕まった人がいるが、あれでさえ大して驚きはしなかった。少々の飲酒や猥談で済むのならまさしく児戯に等しい。

それ以降も各々の人間関係にまつわる会話が交わされ、最終的に自身に害をもたらすかもしれない人間とは極力付き合うべきではないとの結論に達した。確かに常識的な見解だ。合理性や利益を考えたら至極まっとうな意見に感じられる。… 続きを読む

増田でキャラクターを探す

小説を書いていると卑しい悪人を描く事に苦労する。単に醜悪なだけではなく布に汚れが浸透していくような嫌らしさを上手く表現したいのだが、なにぶんそこまで俗悪な発想を持ったおぼえがない。

そんな時はよく「はてな匿名ダイアリー」や「発言小町」を読む。前者は匿名のブログサービスで後者は相談サービスだ。これらのサイトは昔から絶妙にさもしい内容の投稿が寄せられる事でよく知られている。

それも決してありきたりな水準ではなく、いかにも現実味を感じる嫌らしさがそこにある。相手を貶めてでも体裁を保とうとする卑しさが思わず読者を必死にさせてしまう。コメント欄はいつも大盛り上がりだ。おそらくこの手の投稿はほぼ全てが創作で、話作りの上手い人が腕試しで書いているのだろう。… 続きを読む

残虐で道徳的なデッドプール2

初めてデッドプールの予告編を観た時、アメコミにあまり詳しくなかった事もあって「どこの馬の骨ともわからん赤マスクが出てきた」と思った。ところが再生して間もなく既存のヒーロー映画との違いに気づく。あまりにも残虐だったからだ。

かつて、年齢制限がかかるようなヒーロー映画は客入りが悪くなるから作られないなどと決めつけられていたが、今ではそれがまったくの間違いだと誰もが知っている。デッドプールは大人向けヒーロー映画を刷新した。

彼は敵を茶化しながら容赦なく殺しまくり、あたりに臓器や脳漿を撒き散らす。激しい痛手を負うのは自身も例外ではない。まさしく血と硝煙と笑いに包まれた映画だった。そんなデッドプールが支持を得た理由は残虐性だけではなく、そこに多様な感情と道徳性を混ぜ込んだところにある。… 続きを読む

涙は流れないし警官もいない

ここ数日「小説家になろう」や「カクヨム」でランキング順にWeb小説を読んでいる。物書きの端くれとしてこの手のジャンルに思うところはもちろんたくさんあるが、結構な数が書籍化されているのも事実だ。学べるところもあるかもしれない。

ランキングのリストを眺めていくと非常に似通った設定の作品が多い事に気づく。いわゆる異世界ファンタジーだ。おおむね時代背景は中世からルネサンス時代で、ドラゴンクエストやその他のファンタジーRPGに類似した世界観を有している。

このベースに現実世界から転生する主人公や、ビデオゲーム的なギミック、ロールプレイングの強制…などの味付けと、何人もの可愛い女の子やどんな敵でも軽々と倒せる技能といったトッピングが加わり、最終的に一作のWeb小説が出来上がる。… 続きを読む

無賃労働の世界にようこそ

安倍政権の支持者に告ぐ。あなたがたが支持した政権が、昨日、僕たちを金銭に依らず働かせられる法案を衆議院で採決した。そう遠くない将来、ほぼ確実に無賃労働が常態化する世界がやってくる事になる。

どんな社会や組織でも、ずる賢い悪人は表面的にはそうと判らない名称を用いて本質をごまかそうとする。もちろん日本も例外ではない。これまで自民党が提唱してきた「働き方改革」もその典型例であった。

彼らは僕が生まれるよりもずっと昔から企業と資本家のための政党として増長してきたが、今回の件でより多くの人がそれを強く認識した事だろう。「働き方改革」とは実質的に「働かせ方改革」であり、主語は企業や資本家であって労働者ではない。… 続きを読む