映画「万引き家族」が叩かれている

一見、反道徳的に見えるものの中に本質的な良心や善性が宿る事がある。第71回カンヌ国際映画祭で是枝裕和監督の映画「万引き家族」が最高賞を受賞した。日本人の受賞者は21年ぶりで、これまでわずか3人しかいなかったそうだ。

もっぱらエンターテイメント寄りの作品ばかり観る僕には疎いジャンルだが、確かにこの映画のあらすじにはかなりの興味を惹かれた。なんでも既に死んだ親の年金の不正受給と万引きを糧に生活する家族の話らしい。

家族は作中で迷子の子供を拾って育てようとするも、それがきっかけで様々な問題が表面化していく。つまり登場人物は無垢な善人でもなければ徹底した悪人でもなく、英雄でもなければ清貧でもない。… 続きを読む

政治性の忌避は政治性を帯びる

今日、Twitterを眺めていたら気になるリツイートが回ってきた。晒し上げる意図はないので具体的に引用はしないが、要約すると「日本の大学生は政治的な話を避ける事から幼稚と評されているが、むしろ賢いからこそ意図的にしていない」というような内容だった。

その発言者の言い分によれば、それぞれ多様な意見を持つ事ができる民主主義社会において政治的な発言は意見の相違から軋轢を生みやすいため、賢い人間ほど相互理解を諦めて意図的に発言を避けるのだそうだ。

どうもこの人の中での成熟した民主主義社会とは相互に相手の顔色をうかがって深入りしない社会のようだ。とはいうものの、彼自身の他のTweetを見に行くとわりかた挑発的に振る舞っている様子が散見される。インターネット上では別らしい。… 続きを読む

Minimalized

数年ほど前から技術界隈ではGitHub Pagesでブログを書く事が流行っている。なんでも静的サイトジェネレータを使えばMarkdownで書いた記事をHTMLに変換してモダンな感じに仕上げてくれるという話だ。

それをGitHub … 続きを読む

走る棺に揺られて

先週の半ば頃、ボイスチャットで友人Fと会話していたところ、急きょ福井旅行の計画が持ち上がった。話によるとFは週末に遠距離恋愛中の彼女と会うつもりでいたが、相手の都合が折り合わず予定に空きができてしまったそうだ。

そこで彼は僕を福井に呼び、オフ会を兼ねて観光案内もする事で週末の予定を埋めたいと提案してきた。夜行バスの料金から食費、さらには自宅を宿泊場所として提供するという至れり尽くせりの好条件だったので、僕はFに表向き申し訳無さをアピールしつつも二つ返事で快諾した。

相手にここまで負担させるのは道徳に反している気もするが、実質無料の旅行を拒める人などそうそういるものではない。… 続きを読む