イスラエル建国70周年の陰で

輝かしい栄光とされる足跡に屍体が連なっている。数日前、イスラエルは建国70周年を迎えた。同時に、パレスチナ人にとっては屈辱と弾圧の象徴でもある。70年前の5月14日、イスラエルの建国によって多くのパレスチナ人が突然難民の立場に追いやられた。

その昔、パレスチナの地は3つの宗教徒が共存している安定した地域だったが、19世紀末にユダヤ教徒の間で勃興したパレスチナ帰還運動が全てを変えてしまった。ユダヤ教にとってエルサレムは宗教的聖地であり、民族のかつての故郷でもあった。

彼らにとっては大昔に略奪された聖地と故郷を取り戻すための正当な権利運動なのかもしれない。とはいえ、その時代から1000年以上も経過したパレスチナに住んでいる人々からすればまさに寝耳に水の出来事である。… 続きを読む

京都市長選挙に見る政局の問題点

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今月7日に京都市長選挙の投開票が行われた。京都市は共産党推薦候補が健闘できる数少ない地域であったはずだが、今回の選挙では惨敗してしまった。数々の悪法を通しつつも盤石の支持率を誇る安倍内閣とは異なり、どうもわれわれ左翼は大衆的な支持を得られていないようだ。その理由を考えてみる。

いわゆる安保法制や秘密保護法が表に出た時、テレビもネットも相当に盛り上がったものだ。しかし、本当に盛り上がっていたのは政治に関心を寄せる人々とメディアぐらいで、ほとんどの国民は全く気にかけていなかったというのが実際の所だろう。大半の人々にとって重要なのは日々の暮らしであり、それ以外の事に対するプライオリティは常に低く維持されている。もっとも、それらについての情報を彼らなりに各所で見聞して、一応の賛否を示す事ぐらいはしたかもしれない。だが、これらはあくまで雑談の範疇に留まり、政治的な影響力を持つには至らないのだ。

われわれ左翼の問題点は、こうした大衆の現状をほとんど無視している所にある。その点、右翼は人々の感情に素早く反応する。特定の民族に対するちょっとした偏見や微かな嫌悪を切り口に、自らの思想を巧みに伝播しているのだ。SEALDsやその諸派による活動はセンセーショナルな注目を集めたものの、身なりの良い若者が大言壮語や理想論を叫んでいるように捉えられる節もあり、本筋とは関係のない対立を生んでしまった。世代間対立などはその最たるもので、若者のする事は何でも鼻につく年頃の人達からすれば、あれはまさに格好の批判材料だったに違いない。おまけに、老人層はほぼイコールで保守層でもある。… 続きを読む

2ちゃんねるの崩壊と転生

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僕ぐらいの年齢のネットユーザにとって、2ちゃんねるへ抱く感情はとても複雑だ。僕が「ネットサーフィン」なるものを始めた頃はだいたい2003年か2004年頃だったと思うが、この時期の日本のインターネットは2ちゃんねる的な文化にどっぷり浸かりきっており、日本のインターネット文化とは即ち、2ちゃんねるの文化そのものであると言っても過言ではない状態だった。

当時はまだ今ほど動画サービスは巷にあふれておらず、代わりにFlashコンテンツ製作が隆盛を極めていた。僕達の世代は2ちゃんねるの文化を主にFlashから吸収していったのだ。大量のFlashを面白がって見ている内に、無垢な小学生であった僕達はそれらの文化を構築した2ちゃんねるの住民、いわゆる2ちゃんねらーに対する純粋な尊敬と憧憬を持つに至った。

かくのごとくユーモラスで刺激的なコンテンツを製作し伝播する人達は、きっと驚くほど活発的で面白く、人間的魅力に溢れた存在に違いないなどと無邪気に期待していたのである。そのような人達とコミュニケーションを図りたいと思うのはごく自然な欲求であった。… 続きを読む