政治性の忌避は政治性を帯びる

今日、Twitterを眺めていたら気になるリツイートが回ってきた。晒し上げる意図はないので具体的に引用はしないが、要約すると「日本の大学生は政治的な話を避ける事から幼稚と評されているが、むしろ賢いからこそ意図的にしていない」というような内容だった。

その発言者の言い分によれば、それぞれ多様な意見を持つ事ができる民主主義社会において政治的な発言は意見の相違から軋轢を生みやすいため、賢い人間ほど相互理解を諦めて意図的に発言を避けるのだそうだ。

どうもこの人の中での成熟した民主主義社会とは相互に相手の顔色をうかがって深入りしない社会のようだ。とはいうものの、彼自身の他のTweetを見に行くとわりかた挑発的に振る舞っている様子が散見される。インターネット上では別らしい。… 続きを読む

京都市長選挙に見る政局の問題点

kyotovote

今月7日に京都市長選挙の投開票が行われた。京都市は共産党推薦候補が健闘できる数少ない地域であったはずだが、今回の選挙では惨敗してしまった。数々の悪法を通しつつも盤石の支持率を誇る安倍内閣とは異なり、どうもわれわれ左翼は大衆的な支持を得られていないようだ。その理由を考えてみる。

いわゆる安保法制や秘密保護法が表に出た時、テレビもネットも相当に盛り上がったものだ。しかし、本当に盛り上がっていたのは政治に関心を寄せる人々とメディアぐらいで、ほとんどの国民は全く気にかけていなかったというのが実際の所だろう。大半の人々にとって重要なのは日々の暮らしであり、それ以外の事に対するプライオリティは常に低く維持されている。もっとも、それらについての情報を彼らなりに各所で見聞して、一応の賛否を示す事ぐらいはしたかもしれない。だが、これらはあくまで雑談の範疇に留まり、政治的な影響力を持つには至らないのだ。

われわれ左翼の問題点は、こうした大衆の現状をほとんど無視している所にある。その点、右翼は人々の感情に素早く反応する。特定の民族に対するちょっとした偏見や微かな嫌悪を切り口に、自らの思想を巧みに伝播しているのだ。SEALDsやその諸派による活動はセンセーショナルな注目を集めたものの、身なりの良い若者が大言壮語や理想論を叫んでいるように捉えられる節もあり、本筋とは関係のない対立を生んでしまった。世代間対立などはその最たるもので、若者のする事は何でも鼻につく年頃の人達からすれば、あれはまさに格好の批判材料だったに違いない。おまけに、老人層はほぼイコールで保守層でもある。… 続きを読む