2022/11/18

オープニングに神が宿る

それに度肝を抜かれたのは2010年、僕が高校2年生の頃だった。今やあらゆる作品にクレジットされているJ・J・エイブラムスが製作総指揮を務めたドラマ「FRINGE」のオープニングだ。その瞬間まで僕はオープニングというものに気を払った試しがなかった。そもそも作品によっては無かったり、タイトルコールのみで終わることもある。ああ、監督の名前とかが出るあれね、みたいな接し方をしていた。

ところがこのオープニングは違った。「FRINGE」は超科学犯罪を取り締まる特殊捜査チームの話なのだが、わずか20秒とちょっとの映像に作品の魅力がたっぷり詰め込まれている。サイコキネシス、テレポーテーション、ダークマター……情報量が多いだけじゃない。洒落っ気さえある。どうかこれが10年以上前のドラマだということを思い出していただきたい。今でも全然普通に通用すると思う。

話はここで終わらない。なるほどオープニングがカッコいいのは分かった。でも何十回も観たらどうせ飛ばすんでしょ? いいや。「FRINGE」のオープニングは飛ばせない。なぜなら取り扱うテーマによって映像が変化するからだ。 たとえばシーズン2以降は平行世界との対立が主軸になってくるのだが、平行世界側の話をやる時は背景が真っ赤に変色したりする。もちろん、過去編では映像も時代感あふれる雰囲気に変わる。

そういうわけで、オープニングだからといって軽々しく観てちゃならんなと考えを改めた3年後、さらなる衝撃が僕を襲った。かの超有名作 「Game of Thrones」 の襲来である。重厚な音楽とともにフル3DCGで描き出された架空の地図は、物語を観る前からその雄大さを突きつけてくるかのように思わせた。いかにも金がかかっていそうなこの映像は例によってワンパターンではない。話の舞台ごとに地図の位置も変わる豪奢ぶりだ。

バイオレンス中世ファンタジーで知られる本作は各地の名家が互いに血みどろの争いを繰り広げる。当然、それによって特定の家が城を占領されたり、滅亡に追い込まれてもおかしくはない。後半のシーズンでは、現にある名家がそういった悲劇に見舞われた結果、オープニングでも家紋を失った様子が映し出されている。ちなみに、この作品も上映が始まったのは10年近く前だ。

そして現在。ドラマのオープニングに物語上の示唆を込めるのは特段に珍しい話ではなくなった。ますますさらなる高みを目指して、多くの演出家たちが細部に磨きをかけている。オープニングとはもはや物語の門前ではなく、その本質を表してさえいるのだ。あえて言うなら、オープニングに神が宿っている。

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