2026/01/31

そこそこ賢い宇宙人はどんな法律を作るか

なぜ”そこそこ”なのかというと、とてつもなく賢すぎる存在は我々には想像できないからだ。せいぜい、人類の中でとびきり賢い個体が、その宇宙人にとっては普通、くらいの基準でなければ扱いきれない。少なくとも実在しうる範疇なら、当人の言動をもとにある程度のシミュレーションが行える。 姿かたちも我々と似通っていなければ困る。手足が8本あって思念で通じ合えるとか、超合金の肉体を持っているとかだと、たとえ高知能であっても文明が発達しない懸念がある。文明は不足を補うために発達する。凍傷も日焼けも怪我も負わないなら被服は最低限で構わないし、めったに飢え死にしないなら食糧を備蓄する必要も、奪い合う理由もない。当然、外敵の侵入を防ぐ頑丈な柵や堀も不要となる。大集団で暮らす利点も大してない。 Read more

2026/01/23

中道改革連合は元祖野合プロの自民党に学べ

まもなく衆議院選挙が幕を開ける。高い内閣支持率を武器に与党過半数を狙う自民党に対して、野に下った公明党と立憲民主党が繰り出した秘策は、まさかの新党結成であった。聞けば総裁選の頃にはすでに内々で準備を進めていたと言う。選挙直前の新党結成といえば希望の党の一件が記憶に新しく、古い方を歴史資料から掘り起こすなら新進党が思い浮かぶ。どちらも野党にとってひどく苦い経験だったのは議論を俟たない。 新党 「中道改革連合」 (以下、中道)は、少なくとも希望の党の二の舞は避けたいと考えているらしく、表向きは『原発再稼働容認』、『安保法制容認』というかなり厳しい条件を立憲民主党に突きつけた一方で、実際には来る者拒まずの姿勢で参加を受け入れている。 「排除します」 の一言で風向きがひっくり返ってしまったあの一件は、しかと各々の胸中に刻み込まれているようだ。 Read more

2026/01/14

創元SF短編賞に応募した

賞レースに参加するのは久しぶりだ。学生の頃はよく応募していた。自分の作品はあまりにも褒められる。当時、ライターの職も手にしていた。自分は文章がうまい。そんな自負をしっかりへし折ってくれる存在が、他ならぬ賞レースであった。誠に遺憾ながら、僕は最終候補まで残った経験が一度もない。 何度かは、すごくいい線までいった。編集部から直々に電話がかかってきて、惜しくも最終候補には選ばれなかったがこれこれこういう課題があり、このように修正すれば受賞できるポテンシャルはある、云々。だが、僕の作品はついぞ受賞はおろか、最終候補にも残ることはなかった。 Read more

2025/12/31

論評「アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ」:白人酋長ものからの脱皮

前作から3年。待ちに待ったアバターの最新作は、果たして期待通りの作品であった。より強化された映像美に加え、前作で投入されたHFR(ハイフレームレート)と前々作の3D映像を融合させ、3DかつHFRかつ3時間超の映画という超重量級のコンテンツへと進歩を遂げている。 正直なところ、ここまでコンテンツが豪華になると、さながら満漢全席で胃もたれを起こす客のごとく、途中でついていけなくなってしまう人も出てくるだろう。かくいう僕も尿意と格闘しながらフレームレートが頻繁に切り替わる立体映像をガン見し続けるのは、少々しんどかったと認めざるをえない。だが、そうまでしなければこの映像美を得られなかったのも事実である。 Read more

2025/12/15

イカれたネパール土産を紹介する

僕がネパールに行ったわけではない。お隣のネパール人が里帰りから戻ってきたのだ。彼と僕の間には暗黙の取り決めがあり、日本語能力に自信のない彼に代わって僕が面倒な公共手続きを代行している。今回の例で言えば、一時帰国の際に必要なインフラ周りの停止・再開申請が当てはまる。その見返りに、僕はネパール土産を受け取る。 夏の終わり頃に郷里へと飛び立った隣人は今月、額に真っ赤な第三の目を塗りつけたまま帰ってきた。これはティカというヒンドゥー教に伝わる伝統的な印で、彼は帰国のたびに地元の神官から儀式を経て賜り、すでに四人の子どもがいるにも関わらず繁栄力をパワーアップさせて戻ってくる。入浴で自然に落ちるまでは当面そのままでいるらしい。 Read more

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