2022/05/25

人を増やすことのろくでもなさ

少子化はなにも日本に限った話ではない。中国や韓国もそうだし、アメリカやEUもそうだ。およそ先進国とは呼べない経済規模の国でさえ、出生率は減少傾向にある。極めつけは上記の画像だ。13億人超もの国民を誇り、間もなく中国の人口をも抜くと言われているあのインドが、とうとう人口置換水準を下回ったのである。 人口置換水準とは文字通り、その地域において人口を維持できる合計特殊出生率の値を表している。大抵は2.0と Read more

2022/02/25

地に足のついた祖国防衛議論

西暦2022年2月24日、名実ともに戦争が始まった。タイムラインを更新するたび、色濃く象られる戦争の実像に僕はすっかりあてられてしまった。今まさに、われわれと同じ人間が、別の同じ人間の手によって砲撃され、銃撃され、その肉体をずたずたに引き裂かれているという現実のむごさには耐えがたい恐怖を覚える。 どうやら僕は現代国家の理性をずいぶん高く見積もりすぎていたらしい。確かに、銃弾や爆撃に斃れる人々は今まで Read more

2021/12/29

中間は存在しない

米国で最近流行りのムーブメントがある。せっかくの年の瀬なので僕はその最新トレンドをちょっくら紹介したい。一般にそれは 「Woke」 と呼ばれている。活動そのものを「Woke」と表すこともあれば、運動に与する人を「Woke」と言うこともある。文字通り、彼らは「目覚めた人」を自称する。一体、なにから?――われわれの社会に潜む隠れた差別的構造からである。 たとえば、ここに白人男性がいるとする。彼は五体満足で、 Read more

2021/10/26

僕はこのように投票した

先日、買い出しのついでに期日前投票を済ませた。僕は根っからの左翼ということもありこれまで投票先にはあまり悩まなかったのだが、今回は予想外の懸念が発生したために投票行動の修正を余儀なくされた。本エントリは投票先の決定に至るまでの経緯について記す。世間では投票を促す文言ばかりが盛んに打ち出される一方、実際に他人がどのような理路でもって投票先を選んでいるか分からないまま迷っている人たちも大勢いると思う。 Read more

2021/10/01

保守SNSの欺瞞を暴く

一昨日、Misskey.ioのローカルタイムラインはある話題で持ちきりだった。保守SNSを名乗る謎のインスタンスが突如現れたからである。 「保守SNS」とは元東京大学特任准教授の大澤昇平氏によって設立されたSNSだ。名称の通りイデオロギー色が右側に強く、英語圏における「Gab」や「Parler」と同じ立ち位置を狙っているものと見られる。これらの先行例も同様に保守派――というよりは右翼、差別主義者、陰 Read more

2021/09/22

自由社会の効能と代償

誰しも我が身はかわいい。人間、自分だけが真実の努力を培っていると言い張り、他者のそれについては過小評価を怠らない。インターネット。日夜、最弱決定トーナメントが開催され、鬨の声が負の方向へと拡散していく。 「親ガチャ」という言葉は実に鮮烈で象徴的だと思う。「格差」などという手垢のついた言葉に比べてこの新語のえぐるような響きはどうだ。単に親の出来で子供の生涯が左右されるといった、今さらあえて論ずるまでも Read more

2021/06/26

どこからが「政治的」なのか

天皇陛下がオリンピック開催にご懸念を表明あそばされたことで、左右も上下もてんやわんやの大騒ぎになっている。 左派はたいてい共和主義者なので君主の権威には否定的なはずだが、殊ここに至っては「天皇にハシゴを外されてやんの」といった右派に対する報復感情が先行しているのか、意外にも件の表明に首肯する人が少なくない。僕も左派だから気持ちは解らないでもないが、君主の言葉に影響されて政治が動く方こそよっぽど恐ろし Read more

2021/06/04

黒マスクと偏見と自由競争

わずか二年ほど前まで「黒マスクはセンスが悪い」扱いだったことを覚えているだろうか。 疑うのなら期間を指定して適当なワードでググってみるといい。着けているマスクが単に黒いというだけで、あたかも着用者の人格まで決めつけられかねない勢いだ。 時が経ち現在。黒マスクだからどうこうと抜かす輩はほとんどいなくなった。それどころか、もっと奇抜な色合いのマスクを着けている者も今や珍しくない。あれほどこぞって黒マスクを Read more

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