2024/04/21
戦略級魔法少女合同寄稿作品「たとえ光が見えなくても」第一話先行公開
今でも思い出に残っているのは、指先に残るわら半紙の感触。言われるままにピンと立てた人差し指を滑らせると、横にいるお父さんが耳元に語りかけてくれる。「そうら、そこがゲオルゲン通りだ。そこを右に曲がると――」私は言葉を遮って大声で答えた。 「レオポルト通りね!おしゃれなお店がいっぱいあるの」 「そうだ、いつかお前もそこで立派なドレスを買ってもらえるようになる」 耳の奥底からあまりにも聞き慣れすぎた高周波音が
Read more