2024/05/28

本売りまくりⅡ

土曜日 5月27日。コミティアの前日、例によって表参道付近をうろついていたところ――今回は冷やかしではなくちゃんと革鞄を買った――なお出来上がりは7月中旬の予定――合同誌の特装版作りを行うための頭数が足りないと聞きつけ、急きょ東京大学駒場キャンパスへと足を運んだ。指示に従って現場に向かった僕は、気がつくとマジで謎の空間に立っていた。 「槌音広場」とやや物騒な名前が付けられたこの場所、なんとグーグルマッ Read more

2024/05/20

本売りまくり

5月18日の昼下がり。性懲りもなく革小物探しで表参道辺りを徘徊していたところ、今日は自分が寄稿した合同誌が頒布される日だったことに気がついた。そう、かねてより宣伝を繰り返していた戦略級魔法少女合同である。頒布会場はここからなら大して遠くはない。さっそく都営地下鉄に飛び乗り、東京大学本郷キャンパスへと向かった。 この日、東京大学では五月祭なるデカ学園祭が催されていた。同人誌即売会のコミックアカデミーは Read more

2024/05/12

革探しの旅

ふと、身につけている革製品を新調したくなった。僕がいま使っている革製品はだいたいどれも学生の頃に買い揃えたものだ。つまり10年近くは使っている。革製品の寿命は長い。数十年かそこらでは機能的な支障はまず生じない。 だが当然、学生の頃に買ったのだか品物選びには10年前の僕の美意識が反映されている。昔の僕の見る目がなかったとは言わないが、さすがにそれほどの年月が経てばものの感じ方は変わらざるをえない。20 Read more

2024/05/05

IdeaVimと仲良く

フレームワークを用いたJavaの開発案件をVimのみでこなすのは少々厳しい (いや、こうすればうまくやれるとの案があれば教えてほしい! 切実に!) ので、IntelliJ IDEAにIdeaVimを入れてなんとかする。文脈から明らかな通り、IdeaVimとはVimっぽい操作体系を実現するためのプラグインである。 とはいえこれでVimの操作感を十分にエミュレートできるのか、と言われればやはり難しい。そもそも「 Read more

2024/04/29

束になって浮かれる

思いのほかとんとん拍子に物事が進み、来月から新しい職場で働くことになった。そう、この男、こっそり転職活動をしていたのである。転職先はGoで書かれた非対称鍵暗号基盤を自社製品に持つ受託企業だ。もちろん将来的にGo案件に関わる機会を念頭に置いての話でもあるが、選考の過程でCTOの方と技術選定に纏わる問題意識が一致していたところが大きい。 インフラ寄りのSEからPGに鞍替えする形なので年収はさほど上がらな Read more

2024/04/21

戦略級魔法少女合同寄稿作品「たとえ光が見えなくても」第一話先行公開

今でも思い出に残っているのは、指先に残るわら半紙の感触。言われるままにピンと立てた人差し指を滑らせると、横にいるお父さんが耳元に語りかけてくれる。「そうら、そこがゲオルゲン通りだ。そこを右に曲がると――」私は言葉を遮って大声で答えた。 「レオポルト通りね!おしゃれなお店がいっぱいあるの」 「そうだ、いつかお前もそこで立派なドレスを買ってもらえるようになる」 耳の奥底からあまりにも聞き慣れすぎた高周波音が Read more

2024/04/15

マンション自治会の小政治

ことの始まりは昨年の冬、郵便受けに入っていた一枚の檄文からだった。そこには、ある人物がマンション自治会の次期会長に立候補する旨が記されていた。以前から折に触れて書いているように、僕は埼玉のとある団地に住んでいる。建物は古いとはいえ駅まで徒歩10分、大型スーパーまでは5分足らず、近隣には繁華街もあるなど周辺環境が非常に良く、その割に家賃も安い。 代わりに、マンション自治会への参画が半ば義務付けられてい Read more

2024/04/08

攻めの間食

それにしても腹が減る。僕は毎日ご飯のことを考えて生きている。朝ご飯を食べながら昼ご飯に食べるものを考え、昼ご飯の時は晩ご飯のことを考える。時計の長針が一周するたび、胃袋が蠕動してしきりに集中をかき乱す。一体、なんでこんなに腹が減るのだろう。 待ちに待った食事時。地下牢から脱獄した直後かと見紛う切迫感を抱えつつも、なるべく時間をかけて食べようとする。よく噛むのはもちろん健康のためでもあるが、そうしない Read more

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