Realm Royale 所感

この頃は本当にバトルロイヤルルールのシューターが多い。あたかも雨後の筍を彷彿させる。「PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS」(以下、PUBG)の歴史的業績はベンチャーから大手まであらゆるゲームデベロッパを誘惑した。今日「バトルロイヤル」はコンピュータやモバイルの別なくもはやゲームジャンルの名称として成立している。

「Paladins」や「SMITE」で有名なHi-Rez … 続きを読む

原始の平等に学べ

今日、呆けながらテレビを眺めているとNHKで「人類誕生」と銘打たれた特番が放映されている事に気づいた。これが存外に優れた出来栄えで思わず見入ってしまった。NHKの作る映像にはなんとなく垢抜けない印象があったのだが、今やそうでもないらしい。

僕たちの祖先は極めて原始的だったあの時点で、怪我人を介護したり死者を尊ぶ感情を備えていたという。それらは決して精神的余裕がもたらしたものではなく、むしろホモ・サピエンスはしばらくの間ずっと弱々しい種族だった。弱いからこそ群れる必要に迫られ、そのためには弱りきった者をも保護しなければならなかったのだ。

つまり、動物的な弱肉強食の掟から脱却する事こそが人類の生存戦略であった。弱さを社会性と技術力で克服した結実として今日の社会がある。技術力は個人の能力に依存しない効率的な集団を形成し、社会性は窮地に陥った人々を救済してきた。けれども近年の社会はそんな人類の叡智を捨て去ろうとしている。… 続きを読む

糖衣に包まれた毒薬

いわゆる「ネット右翼」が爆発的に増加したのは2002年頃の事だった。日韓ワールドカップでの一部の選手や観客の振る舞いを発端に、韓国人への蔑視感情や偏見がインターネット上で高まりだした。もっと遡ればパソコン通信の時代にもその手の集団は確認されていたが、公に広く認知されうる規模まで拡大したのはこの頃だ。

それ以来、2ちゃんねるのハングル板を中心として嫌韓思想は爆発的に伝播していった。10年以上経過したいま、そこから巣立っていったネット右翼の先達たちがあらゆる場所や業界で嫌韓を拡散させている。彼らは言論空間に強く根を張った。

僕には気に食わない漫画作品がある。その漫画…「テコンダー朴」は2007年頃に連載が開始された時はまだ無名だったが、ここ数年でネット上のミームとしてにわかに注目を浴びている。僕はこの作品を以前からよく知っていた。… 続きを読む

ひまわりを探している

生涯をかけて言い続けたい。人生のほとんどは運と環境で決まる。人間の自由意志は否定しないが、結局はそれも先の二つによって形どられるものだ。ごく一部のまれな成功例を持ち出して精神論や努力を訴える人たちはたいそう恵まれている。彼らの目に朽ち果てて実らなかった努力の亡骸は映らないのだろう。

僕の父は実にひどい人間だった。彼は機嫌の波が異常に激しく、いつ暴力を振るわれるかまったく予期できなかった。殴られるたびに鈍痛が脳髄に浸透していき、恐怖と無力感が僕の中から虚無な従順さを生み出していく。そこには努力の余地などない。痛みを恐れる動物的な本能のみがある。

一方、父は上機嫌であればとても魅力的な人物にも見えた。事実、母と離婚してからも彼はすぐに再婚していたし、後に本性が露呈して再び離婚しても別の女性を連れてくるまでにそう時間はかからなかった。中には連れ子を伴う場合さえしばしばあった。… 続きを読む

二度目の機会ならある

なにかと悪い方向に物事を考えるくせがある。いかにも企業の危機管理部が提起しそうな「最悪の想定」を大幅に越えて、ほとんどサスペンスかホラーの域に到達するまで妄想をやめられない。そのせいか現実の話ならともかく、とんとん拍子にうまく展開が進む手合いのフィクションはどうにも苦手だ。

これは必ずしもリアリティの話ではない。創作だからこそどんなに極端に後味が悪くても楽しむ事ができるのに、わざわざ底抜けにお気楽な内容にしてしまう意義があるだろうか。せっかく刺激的な人物や設定を作ってもそれでは自ら魅力を殺いでしまっているようなものだ。

なんでも、聞いた話では二度目の人生がどうとかといった題名の作品が炎上したらしい。日本刀で戦時中に数千人も殺した元軍人が、老衰で逝去した後に異世界で活躍する話だそうだ。ありきたりな筋書きだが驚くべき事に十八巻まで刊行されていてアニメ化も決定していた。… 続きを読む