2024/04/21

戦略級魔法少女合同寄稿作品「たとえ光が見えなくても」第一話先行公開

今でも思い出に残っているのは、指先に残るわら半紙の感触。言われるままにピンと立てた人差し指を滑らせると、横にいるお父さんが耳元に語りかけてくれる。「そうら、そこがゲオルゲン通りだ。そこを右に曲がると――」私は言葉を遮って大声で答えた。 「レオポルト通りね!おしゃれなお店がいっぱいあるの」 「そうだ、いつかお前もそこで立派なドレスを買ってもらえるようになる」 耳の奥底からあまりにも聞き慣れすぎた高周波音が Read more

2024/04/15

マンション自治会の小政治

ことの始まりは昨年の冬、郵便受けに入っていた一枚の檄文からだった。そこには、ある人物がマンション自治会の次期会長に立候補する旨が記されていた。以前から折に触れて書いているように、僕は埼玉のとある団地に住んでいる。建物は古いとはいえ駅まで徒歩10分、大型スーパーまでは5分足らず、近隣には繁華街もあるなど周辺環境が非常に良く、その割に家賃も安い。 代わりに、マンション自治会への参画が半ば義務付けられてい Read more

2024/04/08

攻めの間食

それにしても腹が減る。僕は毎日ご飯のことを考えて生きている。朝ご飯を食べながら昼ご飯に食べるものを考え、昼ご飯の時は晩ご飯のことを考える。時計の長針が一周するたび、胃袋が蠕動してしきりに集中をかき乱す。一体、なんでこんなに腹が減るのだろう。 待ちに待った食事時。地下牢から脱獄した直後かと見紛う切迫感を抱えつつも、なるべく時間をかけて食べようとする。よく噛むのはもちろん健康のためでもあるが、そうしない Read more

2024/04/03

コメディ専の彼

かつて僕の友達に「コメディ専」がいた。文字通り、コメディしか書かない。学内のありとあらゆる文芸サークルや合同誌企画に出没しては、矢継ぎ早にコメディ作品を投下していく誠に恐るべき人物であった。というのも、あからさまにシリアス路線の企画ばかり狙い撃ちにしていたからだ。 その内容ときたら寄稿者たちが念頭に置いているであろうテーマや価値観を殊更に当てこすり、混ぜっ返し、笑い飛ばす意欲に長けており、うっかり紙 Read more

2024/03/24

『戦略級魔法少女合同』に寄稿した

C103で戦略級魔法少女合同の広報ペーパーを配ることになりました 今回は自分のサークルスペースは無いので各寄稿者のサークルで配布します 普通のチラシにしても良かったのですがちょっと高級仕様でリソグラフ印刷のポストカードを真空パックにしました 来年5月に出る戦略級魔法少女合同をよろしくね pic.twitter.com/k1FpkjsocX — enden (@enden_nix) December 26, 2023 五ヶ月ほど前に触れていたものの、ようやく作品の提出がすべて済んだので改めて宣伝しておく。当初は短編一作の寄 Read more

2024/03/18

0か1かはっきりしない方が得するんだよ

たまにはSNS上の騒動にも首を突っ込んでおく。先日、なにやら「焼肉の食べ放題で50人前の上タンを頼んだら店長にブチギレられた(大意)」とのポストが炎上していたらしい。この出来事をめぐって「食べ放題と言ったからには何人前であっても応じるべきだ」という意見と「常識をわきまえるべきだ」という意見が対立している。 根っからの全身インターネット人間であるところの性分としては、”常識”だとか”マナー”だとかを振 Read more

2024/03/10

主食を栄養源にする

過去記事を読み返すと3年前にこういう記事を書いていた。あれから僕の食生活はさらに改善が進み、ついに食卓から白米を放逐せしめるまでに至った。白米を――放逐する――日本の食生活に慣れ親しんだ人間がそんな大それたことを言い出すと、いかにも鼻持ちならない健康志向のロハスだが、僕にとって問題なのは単純な健康の良し悪しではない。 たとえば僕は二郎が好きだ。あの、ラーメン二郎である。グルテンフリーのロハスどもが全 Read more

2024/03/03

皆さん技術書どう読んでる?

小説や漫画は電子でも技術書は紙、という人はかなり多いんじゃないかと思う。アバウトに書き込めるし、付箋を貼り付けられるし、マーカーも引ける。ぺらぺらとめくって雑に読むこともできる。それくらいタブレットでもできると言われても、システム上の制約があるのとないのとじゃ大違いだ。 しかしその一方で、技術書は重い。デカい。よりによって繰り返し世話になるリファレンス的な本ほどページ数も多い。500ページ超えはざら Read more

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