2025/02/17

実装を義務とする

先週末、これを作っていた。mttという名前のnpmパッケージで、個人的にまとまっていると嬉しいファイル操作をコマンド化したものだ。実装はTypeScriptで行っている。 指定する引数によって機能が変わり、mtt -rで$EDITORを呼び出して行う一括リネーム機能、mtt -cでファイルおよびディレクトリを個別に圧縮する機能、mtt -iで画像ファイルを縮小する機能を備えている。npm instal -g @riq0h/mttでインストールできる。 特にエディタを用いる一括リネーム機能は以前から様々なツール(たとえばmmvは有名だ)で世話になっていたこともあり、この機会に自分の手で実装して処理を把握しておきたいモチベが強かった。今回の開発を通して最低限の勘所を掴めたと感じている。 あまり頻繁にリネームをしない人はピンと来ないかもしれないが、GUIベースで数十ものファイルの命名規則を合わせたり一貫性を持たせるのは意外に大変だ。その都度、前提条件に沿ったルールを作成したりいちいちスクリプトを書くのも面倒くさい。しかしエディタを――とりわけVimを――自由に扱えるなら話は別だ。どんなファイル群でもたちまちケリがつく。 Read more

2025/02/09

ファッション・スロットを増やす

先日、三十路を過ぎた身でピアス穴を開けた。ぶすり。いや、ぶすりという感じではなかった。バチンッという音に近かった。耳に穴を開ける道具はパンチ穴を開ける機械と構造が似ている。というより、対象が紙か皮膚かの違いだけで仕組みはほぼ同じなのではないか。ともあれ、そのようにして僕の耳たぶに穴が穿たれたのだった。 こういう経験は学生のうちに済ませておけば話が早かったのかもしれないが、その頃はそうした事柄にさほど関心を抱けなかった。むしろ、どうしてわざわざ痛い思いをしてまで着飾る必要があるのか、と訝しんでいたほどだ。しかし歳をとり相応に視野が広がってくるにつれ、遅まきながらピアッシングが装飾を拡張する実用的な手段だということに気づいたのである。 Read more

2025/01/21

ルイーズ・ブルジョワ展に行ってきた

先週末、ちょっとした思いつきから「ルイーズ・ブルジョワ展」に行ってきた。かなり刺激的な内容ながら人気を博しているらしく、前提知識を備えていなくてもそれなりに楽しめるのではないかと期待した次第だ。結論から言うと、この目論見は大いに当たった。 本展のテーマは良くも悪くも非常に明快で分かりやすかった。各所でアイコン的に押し出されている展示物が蜘蛛の大型彫像なのは知名度を重視しての判断と思われるが、母性の持つ二面性を暴き出すという真意を伝えるにはかえって抽象的すぎたきらいも否めない。デート向きのおしゃれな美術展だと早合点して行ったカップルなどは少々気まずい思いをしただろう。 Read more

2025/01/14

ローファーのつま先

なにかの比喩ではない。本当にローファーのつま先の話である。前回の精神的続編。ナンバリングタイトルを付けると客離れが起きるので新作を装うやつ。最近はローファーのことばかり考えている。靴に興味がなくても学生の頃に履いていた人は少なくないだろう。靴紐いらずで気安く履けてどんな服装にも合う革靴のありがたみを、特に夏場にはよく実感させられる。 なにしろ日本の夏は蒸し暑い。アメリカやイギリスの気候とはとてつもない隔たりがあり、この地でトラッドな装いを貫くのは苦行に等しい。ポロシャツにチノパンのよくある組み合わせにしてもストレートチップが似合うほどのフォーマルさには及ばない。したがって、おのずと環境に合わせて革靴の方をカジュアル寄りにする必要が生まれる。 現状、僕の今の手持ちでカジュアルなのはスタンスミスかチロリアンシューズかワークブーツだ。ワークブーツは基本的に雨用かウォーキング用なのでそう頻繁には使わない。となると日常的な選択肢はスタンスミスかチロリアンしかない。どちらもお気に入りではあるものの手数に欠ける構成だと言わざるをえない。せめてもう一つ選択肢が欲しい。 Read more

2024/12/04

革探しの旅Ⅴ:革靴編

前回の外伝的前日譚。観ていない人も多いので話が合わせづらいやつ。身につける位置こそ違えど鞄と靴には大きな関連性がある。クラシックな革鞄を選んでギラギラのランニングシューズを履くと、一般にトータルコーディネートの難易度は飛躍的に高まる。同様に、スポーティなリュックを選んでピカピカのドレスシューズを履くのはかなり困難だ。 逆に、鞄と靴の意匠とカラーリングが合っているともうほとんど完成形に近い。なにも手がかりがない中から探るよりも、絶対に譲れないアイテムを前提にセットアップを組む方がファッションでもゲームでも効率的にビルドを構築できる。上級者向けと見せかけて実は手堅い戦略なのだ。 もっともこれは僕が何年も惰性で履き古した靴を総入れ替えするための方便に過ぎない。なにしろ鞄と同じく靴も一、二足では用を足しきれず、シチュエーションに備えて何足も揃えておかなければならない。そんなわけで秋口から今まで僕はずっと、様々な店で革靴を物色していた。 Read more

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