2024/03/18

0か1かはっきりしない方が得するんだよ

たまにはSNS上の騒動にも首を突っ込んでおく。先日、なにやら「焼肉の食べ放題で50人前の上タンを頼んだら店長にブチギレられた(大意)」とのポストが炎上していたらしい。この出来事をめぐって「食べ放題と言ったからには何人前であっても応じるべきだ」という意見と「常識をわきまえるべきだ」という意見が対立している。 根っからの全身インターネット人間であるところの性分としては、”常識”だとか”マナー”だとかを振りかざされるとやはり反射的に闘争心がわいてしまう。全身がインターネットでできているだけあってあらゆる物事は0か1かではっきりさせたいし、そうでないものは非論理的だと鮮やかに断罪したい。先の問題も「ルールがあるならすべて明文化すればいい」と言い切れば、いかにもすっきりできそうな気がする。 Read more

2024/03/10

主食を栄養源にする

過去記事を読み返すと3年前にこういう記事を書いていた。あれから僕の食生活はさらに改善が進み、ついに食卓から白米を放逐せしめるまでに至った。白米を――放逐する――日本の食生活に慣れ親しんだ人間がそんな大それたことを言い出すと、いかにも鼻持ちならない健康志向のロハスだが、僕にとって問題なのは単純な健康の良し悪しではない。 たとえば僕は二郎が好きだ。あの、ラーメン二郎である。グルテンフリーのロハスどもが全員裸足で逃げ出して、ひと汗かいて家に帰るようなおぞましいジャンクフードだ。曲がりなりにも健康に気を遣う人間が口にすべき食べ物では決してない。ところが、僕はこれを月に最低2回は食べている。他にも揚げ物だって食べているし、手間暇をかけて身体に悪そうなメニューも色々と作っている。 だが僕はそれ以外ではロハスどもと肩を組んで仲良く並走している。毎日食べる弁当は脂身の少ないタンパク質と歯ごたえのある根菜が中心で、わざわざ作り置きしている。毎日、カロリーと栄養素を勘案してあすけんの女にまずまずの得点をもらっている。一日の終わりには輸入もののマルチビタミン剤も飲んでいる。 Read more

2024/03/03

皆さん技術書どう読んでる?

小説や漫画は電子でも技術書は紙、という人はかなり多いんじゃないかと思う。アバウトに書き込めるし、付箋を貼り付けられるし、マーカーも引ける。ぺらぺらとめくって雑に読むこともできる。それくらいタブレットでもできると言われても、システム上の制約があるのとないのとじゃ大違いだ。 しかしその一方で、技術書は重い。デカい。よりによって繰り返し世話になるリファレンス的な本ほどページ数も多い。500ページ超えはざらの世界だ。にも拘らず、ひょっとすると一冊では済まないかもしれない。これではもう「ぺらぺらとめくる」などと悠長なことは言っていられない。どう考えたって検索の方が早い。いわゆる書見台の類も、こんなに分厚い本は想定して作られていない場合がほとんどだ。真ん中あたりばかり開くのなら別だけどな。 Read more

2024/02/25

DockerなしでBlueskyのPDSを建てる方法

晴れてBlueskyの連合がスタートした。厳密には、我々はBlueskyの構成要素の一つであるPDS(Personal Data Storage)をセルフホスティングできるようになった。これにより各ユーザは自分のデータを自らの管理下に置くことができる。また、他ユーザの登録を許可しているPDSに移動すれば権威的ではない他の個人にデータを預けられる。 一方、MastodonやMisskeyなどと異なるのは、モデレーションやフィードの生成、固有IDの半永続的な管理を担う上位の構成要素が存在しているところだ。これらは膨大な計算資源を要するため、個人でのホスティングは実質不可能とされている。つまり、PDSは文字通り個人データの保管庫であって、あらゆる制約から逃れられるわけではない。公式のルールに違反する投稿は依然として処罰の対象になりうるし、まだ前例はないが他のPDSとの連合から排除される可能性も考えられる。 Read more

2024/02/19

書くやつは傲慢、書き上げないやつはもっと傲慢

今更言うまでもない話だが、自分の頭の中を曝け出して人に読ませようなんて傲慢にもほどがある。通常、思考というのは曖昧模糊としていて取り留めのないものだ。一説によると高度な知能を持っているとされる人間様もすべての行動に前もって思考を割り振るのは難しいらしく、実際には事後承諾を余儀なくされている。 思考の事後承諾とはすなわち、まず神経と筋肉の反射があり、思考が結果を評価するという仮説だ。つまり行動に即応性が伴っていればいるほど、人間の思考は後回しになる。なんであれすでにやってしまった行いを後から正確に評価するのは難しいので、人間の思考はしばしば自己正当化を図るか、逆に過度な内省に陥ってしまう。 Read more

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