点と接線

まだ麺にチャーハンを付けられる

とにかく腹が減っていた。若い頃はなにも考えずに味の濃い一品料理を大盛りにしていた。丼物を特盛にする、ラーメンを大盛りにする、二郎に行く。ところが、三十路を過ぎてからはそういうことができなくなった。食べ進めている途中で味の濃さに圧倒される。量に勝てても味に負ける。家系ラーメンは好物だが、並盛以上にしようとは思わない。 しかし空腹である。とことん腹がすいている時、好きな料理を一人前ぶんだけ食べても欲求は満たされない。実際的に胃袋に食物を詰め込む必要がある。一定のリズムで箸を、スプーンを、往復させ続ける責務がある。そんな時、僕は町中華に行く。なにも特別な店ではない。自宅の近く、駅の高架下、店先にフードサンプルが飾ってあるような、ごくありふれた店だ。

ショルダーバッグの生まれ変わり

この鞄 を買ってから二年弱が経過した。当時、ショルダーバッグはポータビリティとアクセシビリティを兼ね備えた最高の選択肢に思われた。ラップトップもノートも小物もなにもかも全部入る。それでいて、常に手の届くところに鞄の入口がある。実用性においてはこの上なく理想的だ。 だが、この二年の間に僕のクラシック趣味は全身の隅々にまで行き届き、今日では季節に応じたオーダーメイドの服を纏うまでに酔狂を遂げた。こうした服はリネンにしろウールにしろ、大抵は通常の手段で洗濯ができない。すると、どうなるか。本革のショルダーバッグを身に着けることで発生する革汚れを容易に落とせなくなるのだ。

超カッコいいカメラを借りた

初夏、厳しい陽の光と涼しい風が同居する稀有な季節。特に予定もなく街に繰り出した僕は、同じように予定のない友人を呼び出していた。文芸サークルの献本を受け取っておきたかったのと、前にカメラを借りる約束をしていたのでちょうどよいと思った。 果たして彼が到着すると、さっそく持ち出してきた超カッコいいカメラがスタバの狭すぎるテーブルに並べられた。誠に遺憾ながら彼に教えてもらった豆知識はろくに覚えていないが、少なくとも僕が借りたのは右側のレチナⅡaである。今から70年くらい前のフィルムカメラということで、すなわちレトロカメラの部類に属する。

結局、東大生に任せるしかない

5月16日に東京大学の学園祭『五月祭』が開催される。僕は東大生でも東大OBでもないが、文芸サークルの主宰者が東大生であったりなどでなにかと縁が多く、ここ数年はよく足を運んでいる。残念ながら今回は同人誌の出展予定はない。早く万全な体制を整えて定期刊行物をビシバシと出していきたいものである。 その五月祭だが今年は少し揉め事が起こった。(本当は毎年いつもなにかで揉めているが)あの排外論者にして陰謀論者、SNSが生み落とした令和の魔物、参政党の神谷某が五月祭で講演するというのだ。講演を依頼したのは東大生の保守サークルとのことで、当然ながら界隈では激しく賛否が沸き起こった。