2023/07/03
書評「出会って4光年で合体」:生命のダイナミズムと射精
インターネット上に突如現れた本作「出会って4光年で合体」は約400ページもの連なりを持つエロマンガだという。その常軌を逸した頁数もさることながらなおも並々ならぬ異常性を感じさせるのは、各ページに刻まれたおびただしい量の文章だ。作品欄のサンプル画像に気圧されて購入を断念した人も多いだろう。だが、まず言っておかなければならない。あれはまだ序の口だ。
一方、早々に読み切った猛者の間では絶賛の声が相次ぎ、星雲賞受賞待ったなしとの評も囁かれるなか、僕は本作を手に取るまで冷めた態度で騒動を見守っていた。オタクの誇大表現にはいい加減なんらかの法規制が敷かれるべきではないのか、と呆れたところで、いやしかし、400ページのエロマンガなど正気の沙汰では描けぬもの、もしかするともしかするかもしれない。そう考えて、やはり読んでみることにした。読み終わる頃には目がしばしばしすぎて柴犬になった。
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