2021/10/01

保守SNSの欺瞞を暴く

一昨日、Misskey.ioのローカルタイムラインはある話題で持ちきりだった。保守SNSを名乗る謎のインスタンスが突如現れたからである。 「保守SNS」とは元東京大学特任准教授の大澤昇平氏によって設立されたSNSだ。名称の通りイデオロギー色が右側に強く、英語圏における「Gab」や「Parler」と同じ立ち位置を狙っているものと見られる。これらの先行例も同様に保守派――というよりは右翼、差別主義者、陰謀論者――が集結する場として知られている。 大澤昇平氏自身にも「自社では中国人は採用しない」との発言を行った結果、特任准教授の地位を追われた過去があり、彼らはその手の発言がしづらくなってきている現代社会を「抑圧的」と捉えているようだ。僕からすれば手当り次第に偏見をばらまく彼らこそ加害者に他ならないが、彼らには彼らなりの主観的現実が備わっており、それに基づくと 「自分たちは”自由”な発言を妨げられ、不当な弾圧を受けている被害者である」 といった具合になるらしい。この認識の隔たりは非常に大きい。 兎にも角にも既存のSNSでうまくやっていけない彼らは、より”自由”な発言の場、自分たちにとっての理想郷を希求するに至った。これがまさしく「Gab」や「Parler」であり、ひょっとすると日本においては「保守SNS」とやらになるのかもしれない。正直このこと自体は大いに結構というか、勝手に視界から遠ざかってくれるのならドシドシやってくれとさえ感じる。とはいえ「保守SNS」が開発されるまでに起こった問題や、ローンチ後の実態については看過できない部分がいくつもあり、その点はきっちり釘を刺しておきたい。 Read more

2021/09/15

ddc.vimとBuiltin LSPでサブ武器を錬成した

以前はcoc.nvimを用いて開発環境を構築していたが、オールインワン系プラグインならではの過剰性能に思うところがあったのでリプレイスを図ることにした。というのも、CoCが提供する機能のうち僕が絶対に必要としているのはせいぜい下記の3つ程度だったからだ。 ・自動補完 ・LSP ・セレクタ したがって、上記の機能を満たす単機能のプラグインをそれぞれ見繕えば当座の目的は達成できたことになる。僕にとってのVimは小回りの利くサブ武器なので、さしあたり一通りの編集作業がこなせる形に持っていければよいものとした。 ddc.vim ddc.vimは自動補完を行うためのプラグインで、広く人気を集めたdeoplete.vimの後継にあたる。わずか数ヶ月前に公開されたニューフェイスながら既に実用可能なクオリティに達している。ただし仕様上、補完ソースやスニペットの類はすべて分離されているので、各要素の導入と併せてユーザ自らの手で設定しなければらない。 これは作者の言葉通り確かに初心者向けの作りではないものの、かえってそのミニマル志向が僕の使い方には合っていると感じた。さっそく以下から導入および設定例を示していくが、プラグイン管理にdein.vimを用いている都合上、記述内容はそれに則る形をとる。 Read more

2021/08/07

Cloudflare Pagesの利点および導入手順

本エントリではCloudflare Pagesの利点および導入手順を記す。 Hugoなどの静的サイトジェネレータでWebサイトを構築しているユーザには、その用途がもっぱら簡素な個人用ブログに限られることから、さほど制限を気にせずGitHub Pagesを利用する事例が多く見られる。事実としてこのアプローチにおよそ誤りはないが、そこはあえて好奇心を働かせて他のホスティングサービスも試してほしい。ちょっとした演習にもなるし、なによりタダだ。 Read more

2021/07/31

コンピュータ好きの人類が観るとより楽しめる洋ドラ三選

タイトルについて 当初、本エントリのタイトルは 「プログラマが観るとより楽しめる洋ドラ三選」 になるはずだった。しかしすぐに 「いやプログラマに限定するのはおかしいな。インフラエンジニアだって当然楽しめる」 と思い直し、タイトルを「エンジニアが観ると…」に修正した。が、ここでまた手が止まった。「なにも職業エンジニアに限った話ではないな」 実際にそうなのだ。紹介する作品群はどれもコンピュータをある程度かじっている人なら十分楽しめるように作られている。こうして対象範囲をどんどん拡張していった結果、現在の珍妙なタイトルが生まれた。さすがにこれ以上広げるつもりはない。 Read more

2021/07/24

美しいパーマリンクの条件

昨今、URLの形式にこだわる必要性は徐々に失われつつある。このことは、主要ブラウザがURLの詳細を隠蔽する外観に変化してきているところからもうかがえる。もはや大抵のエンドユーザにとってURLは意識外の存在であり、若干のリテラシーを持つユーザにとっても、せいぜいリンク先がSSLに対応しているか否か、あからさまにフィッシング然とした奇妙なURLでないか、などが判別できれば十分――といった程度の代物に過ぎない。 Read more

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