8月3日(土)。夏コミに向けての同人誌作りが始まった。当ブログでもかねてより宣伝している戦略級魔法少女合同 の特装版を作り、元の2倍の価格で売りつけようというのだ。この計画は本来すでに実現しているはずだったが、様々な困難により今回まで持ち越しになっていた。サークルの学生諸君らが夏休みに入った今、急ピッチで制作が進められている。当日、サークル主催者の東大生君(仮名)と参加者の藝大生君(仮名2)と私文中退(僕)が全員1時間以上遅れて東大駒場キャンパスに集結すると、どこからか謎の電動工具や様々な作りかけの部品、その他道具などが続々とまろび出てきて準備が整った。東大生君が室内で他の作業をしている間、藝大生君と僕は前回も紹介した 槌音広場で板を切る仕事に従事する。
ふと、眼鏡を変えたくなった。僕にはあまり良くない手癖がある。最低でも5分に1回は眼鏡の位置を直そうとして手が動いてしまう。中指でブリッジを押し上げるだけだから大した手間ではないが、それでも5分に1回ともなればチリツモでかなりの運動量になる。もし累計をまとめてエネルギーに変換できたらドリップコーヒーのためのお湯くらいは沸かせるかもしれない。そんな手癖が身についたのも8年前に買ったJINSのフレームがやたらと長持ちしすぎているせいである。店で金属部分を曲げ直してもらってもズレるので、パーツ本来の寿命はとっくに摩滅しているに違いない。しかしJINSには真円に近いフレームがほとんどないゆえ換装の機会が一向に訪れず、結果として基幹ハードウェアが過剰な対応を余儀なくされている。なにしろまったくズレていなくても無意識下で発動するほどだ。
ようやくSwiftに馴染んできたと思ったら次の案件はFlutterだと言う。まだ具体的な時期は決まっていないが今年中の話には違いない。面接で「あらゆる技術領域にチャレンジしたい」などと自信満々にアピールしたことがボディーブローのように効いてきている。とはいえ、良い話もある。SwiftでのiOSアプリ開発はXcodeの使用が絶対条件だがFlutterはVimで書ける。Xcodeを使うとしたらビルド周りの設定をする時だけだ。その上、よほど込み入った作りでなければ共通のコードでAndroidアプリも開発できるため受託側としては工数が少なく非常に都合が良い。いちコーダーとしては、単純なモバイル案件は全部FlutterかReact Nativeで受ければいいじゃんと感じてしまうがそうもいかない事情があるのだろう。
2003年のある夏の日。僕はいつものように本を読みながら下校していた。人も建物もまばらな田舎町の通学路は足が覚えている通りに歩き続けるだけで家に着く。時折、足の裏に意識の一欠片を分け与えると、じきに靴底が土くれを踏んでいる感触を伝えてだいたいどの辺りを歩いているかが分かる。道中に道路が未舗装の区間があるため、そこまで来れば半分は歩いたことになる。たとえ東北の寒村であっても夏は蒸し暑い。6時間授業を終えた後でも、未だ空高く昇りつめた太陽がじりじりと首筋を焼き焦がして汗腺を刺激する。してみると、これはずいぶん不公平な話に思える。日本中どこもかしこも暑いのだから東京の子たちと同じく夏休みも8月31日まで続いてたっていいではないか。だが、事前に配られた冊子は今年も例年通り僕たちの夏休みが遅く始まり、より早く終わる過酷な事実を容赦なく告げてきた。