2024/02/19

書くやつは傲慢、書き上げないやつはもっと傲慢

今更言うまでもない話だが、自分の頭の中を曝け出して人に読ませようなんて傲慢にもほどがある。通常、思考というのは曖昧模糊としていて取り留めのないものだ。一説によると高度な知能を持っているとされる人間様もすべての行動に前もって思考を割り振るのは難しいらしく、実際には事後承諾を余儀なくされている。 思考の事後承諾とはすなわち、まず神経と筋肉の反射があり、思考が結果を評価するという仮説だ。つまり行動に即応性が伴っていればいるほど、人間の思考は後回しになる。なんであれすでにやってしまった行いを後から正確に評価するのは難しいので、人間の思考はしばしば自己正当化を図るか、逆に過度な内省に陥ってしまう。 Read more

2024/02/10

Blueskyの眺め方 初版

■改訂履歴 2024/03/20 ハッシュタグと日本語話者フィードに関する記述を修正 はじめに 本稿は分散型SNS「Bluesky」の基礎的な理解を促す目的で記された文章である。主に登録開放以降に初めて参加した新規ユーザを対象にしている。この文章を通じてXと似ているようで違うBlueskyの輪郭が朧げにでも伝わると幸いだ。 Blueskyの現状 2024年2月現在、Blueskyは競合SNSと比べて明らかに機能性に乏しく、中には運営陣の方針から将来にわたって実装される見込みが低いものも存在する。まずはそれぞれの違いを下表にて示した。なお、独自機能を持つフォークの実装系は本稿では考慮しない。 Read more

2024/02/03

太巻きへの偏愛

節分である。世間では鬼を戸外に放逐せしめるべく豆をぶつける行事が主と捉えられているが、僕の中ではもののついでとばかりに売り出されている恵方巻きの方がよほど嬉しい。というのも、おおよそ太巻きと定義されうる万物が僕の好物に当てはまるからだ。正直、具の中身は割となんでも構わない。海苔と白米の懐は日本海溝よりも深い。 しかしリアルな伝統に裏打ちされた豆まきとは異なり、恵方巻きの依拠するバックグラウンドストーリーはだいぶ疑わしい。なんでも昔の関西地方にそういう風習があったとかなかったとかそんな具合らしいが、現実、恵方巻きがそこかしこで手に入る昨今の状況は誠に遺憾ながらセブンイレブンの商業的動機によるものに過ぎない。食品ロスも確かに問題だ。僕の胃袋に全部収められたらいいのに。 Read more

2024/01/29

腕環境改善Ⅰ

指先はだいぶ満足したので腕の環境も充実させなければならぬ。言うまでもなく、腕にはまっているのはスマートウォッチなのでこれを腕環境と表すことができる。2年半前、僕はXiaomi Mi Watchを買った。ちょうどランニングが板についてきた時期で、より携帯性の高いGPS機能を求めていた。いちいちスマホを持っていくのが面倒だからだ。ランニングは軽装であればあるほど望ましい。 当時の基準からするとMi Watchは十分に有用な機能を持っていた。1万円足らずの実勢価格にしてはほとんど申し分がない。正直に言うと、2年半経った今でもこれで事足りないことはない。買い替える理由は単なる気まぐれである。当初、僕が欲しかったのはNothing(あのNothing Phoneを出している会社だ)のサブブランド「cmf」によって発売されたcmf Watch Proだった。 Read more

2024/01/21

デスク環境改善Ⅱ

ついに想像の中のキーボードを具現化する時が訪れた。金は大層かかったが満足している。僕にとってキーボードとはもっとも本質的かつ重要なインターフェイスであり、人生でもっとも打ち込んだものの一つに他ならないからだ。そんなふうに自分に言い聞かせれば翌月、改めてクレジットカード明細を目にした際の震えも多少はやわらいでくれるに違いない。 Bakeneko65 Keychron Q2 Proの体験に気を良くした僕は次の段階に進んだ。キーボード基板部分をさらに細かく検討して、ケース、構造、PCB、プレートも吟味する。前回の記事で予告した通り、二台目にはBakeneko65を選んだ。シンプルなO-ringマウントのアルミニウム筐体に、ホットスワップ対応のPCB、プレートはポリカーボネードより固く、ステンレスよりは柔らかい複合素材のFR-4。オープンソースハードウェアでもある。 Read more

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