2024/10/15

(企業側で)転職フェアに行ってきた

土曜日。休日出勤である。本来は先輩の社員が行く予定だったのだが、代休目当てに(平日はゴルフ場が安い)仕事を強奪したのだ。人から奪い取って得する上に感謝までされることってなかなかない。しかし、あまりにも目先の欲に囚われて請け負ったものだから、当日の段取りがろくに頭に入っておらず電車の中で一夜漬けならぬ朝漬けをする羽目と相成った。 結局、典型的な指示待ち人間と成り果てた僕は会場に着くやいなや、右に貼れと言われた用紙を貼り、左に置けと言われたプレートを置き、気づけばそれなりに見栄えのするブースが出来上がっている。同様に、前後左右に並ぶ他社のブースも各々の特色をめいいっぱい凝らしたであろう装飾で満ちあふれていた。 Read more

2024/10/09

革探しの旅Ⅳ:トートバッグ編

前回の外伝的続編。けっきょく観ないといけないやつ。ショルダーバッグの選定が落ち着いたところで次はトートバッグを検討する。まったく難儀な代物だ。紙袋同然のもっとも基本的な形状をしているだけに品数がやたら多く、そのぶんよく研究されている。簡単なものなら自分で作ることもできる。僕も昔に作った覚えがある。どれも同じと見せかけて実は細部が違う。 しかし、単に作りやすいからトートバッグはバッグ界の一角を長らく占め続けてきたわけではない。それだけ圧倒的に便利だからだ。ショルダーバッグが決まりきった携行品を出し入れするのに適した鞄だとしたら、トートバッグはそれ以外に適している。大抵なんでも入るし、なんならなにも入っていなくても許されが発生する。 ショルダーバッグはこうはいかない。峻厳な世界観である。携行品が過不足なく入っていないショルダーバッグは完全に失敗している。クイックスロットになにも登録していないプレイヤーがいたらそいつはヌーブだ。つまり、ショルダーバッグをスカスカにしていたり、逆に出し入れしにくいほど荷物を詰め込む輩がいたら、そいつはショルダーバッグを使いこなせていない。 Read more

2024/09/21

家系へのシフトチェンジ

昔、ラーメン二郎がとても好きだった。徒歩圏内に二郎インスパイアが2つあり、さらに学校から自転車で行きやすい距離には目黒店もある好立地に恵まれていたおかげで、麺もヤサイもニンニクも不足する日はなかった。どうしてトッピングが全部カタカナ表記なんだろうという疑問とは裏腹に、昼も夜も二郎に通い続けた。間違いなく当時、身体を構成する成分のうちの何割かは二郎だったと思う。 大量の油脂と炭水化物とたんぱく質を飲み込むように胃袋に叩き込むと気分が高揚してとてつもない満足感に包まれる。完食にかかる時間は短ければ短いほど望ましい。15分よりも10分、10分よりも5分で食べきれば脳みそから染み出す快感がより一層高まっていく。大学に進学した後も最寄りの二郎系を探したのは言うまでもない。 Read more

2024/08/26

革探しの旅Ⅲ:ジッパーの逆襲

前回の精神的続編。たぶん旧作ファンに怒られる方の。一度決めたコンセプトを覆すのは辛いものだ。ある日、通勤用に愛用していた布鞄が裂けた。ラップトップが入り、他の携行品もぴったり収まる上に可愛い、すばらしい鞄だったのにここへきて弱点が露呈してしまった。誓って言うが直接なにかを当てたり擦ったりはしていない。上の画像は内側の左端だが右端もほぼ同様の有様だ。 もちろん補修はできる。せっかくなら裁ち革を用いた修繕を試そうと思い、すでに革素材を発注している。だが、どんな素材を用いようとも状況からみて応力が端に集中している以上、通勤用途にはもはや耐えられそうにない。今後は予備や雨天時など他の身の置きどころを考えてやる必要がある。 となると新たに鞄を発注しなければならず、材質はおのずと革製が選択される。長期的な耐久性において革を凌ぐ材質はそうない。コストパフォーマンスではナイロンが有利だが、加水分解という時の宿命からは逃れられない。製品サイクルの早さゆえデザイントレンドの影響も受けやすい。一方、革製品はそれ自体がトラディショナルな性質を持つ。きっと月面旅行でも使われるだろう。 Read more

2024/08/18

すごいぞシミュレーションゴルフ

シミュレーションゴルフを契約して半月ほど経った。かつて会社帰りにバッグを背負って自転車を漕ぎ、わざわざ練習場に行っていた面倒を思えば最寄り駅を降りて即座に球が打てるのは凄まじい文明開化ぶりである。それでも僕がこれまで現実の世界にこだわっていたのは、やはりリアルに飛んでいく球しか信用ならず打った気にならないという固定観念ゆえだった。 しかし現実世界はタイパもコスパも悪い。自転車で往復するだけでも何十分もロスしているし、月極で打ち放題の形態をとるシミュレーションゴルフと比べて練習場は行けば行くほど金がかかる。なにより「リアルに飛んでいく球」といっても、所詮は敷地面積次第だ。近場の練習場は150ヤードが限界なのでロングアイアン以上で打つとどのみちほとんど区別が付かない。 Read more

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