2024/04/08

攻めの間食

それにしても腹が減る。僕は毎日ご飯のことを考えて生きている。朝ご飯を食べながら昼ご飯に食べるものを考え、昼ご飯の時は晩ご飯のことを考える。時計の長針が一周するたび、胃袋が蠕動してしきりに集中をかき乱す。一体、なんでこんなに腹が減るのだろう。 待ちに待った食事時。地下牢から脱獄した直後かと見紛う切迫感を抱えつつも、なるべく時間をかけて食べようとする。よく噛むのはもちろん健康のためでもあるが、そうしないとすぐに腹が減ってしまうからだ。なによりせっかくの食事をあっという間に済ませてしまうのは惜しい。 Read more

2024/04/03

コメディ専の彼

かつて僕の友達に「コメディ専」がいた。文字通り、コメディしか書かない。学内のありとあらゆる文芸サークルや合同誌企画に出没しては、矢継ぎ早にコメディ作品を投下していく誠に恐るべき人物であった。というのも、あからさまにシリアス路線の企画ばかり狙い撃ちにしていたからだ。 その内容ときたら寄稿者たちが念頭に置いているであろうテーマや価値観を殊更に当てこすり、混ぜっ返し、笑い飛ばす意欲に長けており、うっかり紙面に目を通そうものならたちまち顔をしかめること請け合いの代物だった。輪をかけて恐ろしいのは、これらの作品がどれもそれなりに面白かったところである。 Read more

2024/03/24

『戦略級魔法少女合同』に寄稿した

C103で戦略級魔法少女合同の広報ペーパーを配ることになりました 今回は自分のサークルスペースは無いので各寄稿者のサークルで配布します 普通のチラシにしても良かったのですがちょっと高級仕様でリソグラフ印刷のポストカードを真空パックにしました 来年5月に出る戦略級魔法少女合同をよろしくね pic.twitter.com/k1FpkjsocX — enden (@enden_nix) December 26, 2023 五ヶ月ほど前に触れていたものの、ようやく作品の提出がすべて済んだので改めて宣伝しておく。当初は短編一作の寄稿を予定していたが、様々な事情により最終的に二作の中編を書き上げた。おおむね当初の想定通りのコンセプトを維持できたと感じている。限られた可処分時間の中で仕事をまっとうした自分を素直に褒めたい。 前述の記事に書いている通り、僕は魔法少女ものの作品をろくに観た経験がない。直撃世代なのに「まどマギ」も観ていないし、いま放送中の作品もまったく観ていない。しかし、このジャンルがやたら流行っているのはひしひしと肌身に感じている。SNS上でも身の回りでも皆さんが魔法少女について語り合っているのをよく見かけるからだ。 厳密には「魔法少女」そのものというよりは、このジャンルに集約された諸要素が多くの人々に感銘を与えているのだろう。物書きとしては、やはり創作によってそれらにアクセスする方法を探っておきたい。そうすれば将来の自作においても諸要素の核心を反映させられるかもしれない。 Read more

2024/03/18

0か1かはっきりしない方が得するんだよ

たまにはSNS上の騒動にも首を突っ込んでおく。先日、なにやら「焼肉の食べ放題で50人前の上タンを頼んだら店長にブチギレられた(大意)」とのポストが炎上していたらしい。この出来事をめぐって「食べ放題と言ったからには何人前であっても応じるべきだ」という意見と「常識をわきまえるべきだ」という意見が対立している。 根っからの全身インターネット人間であるところの性分としては、”常識”だとか”マナー”だとかを振りかざされるとやはり反射的に闘争心がわいてしまう。全身がインターネットでできているだけあってあらゆる物事は0か1かではっきりさせたいし、そうでないものは非論理的だと鮮やかに断罪したい。先の問題も「ルールがあるならすべて明文化すればいい」と言い切れば、いかにもすっきりできそうな気がする。 Read more

2024/03/10

主食を栄養源にする

過去記事を読み返すと3年前にこういう記事を書いていた。あれから僕の食生活はさらに改善が進み、ついに食卓から白米を放逐せしめるまでに至った。白米を――放逐する――日本の食生活に慣れ親しんだ人間がそんな大それたことを言い出すと、いかにも鼻持ちならない健康志向のロハスだが、僕にとって問題なのは単純な健康の良し悪しではない。 たとえば僕は二郎が好きだ。あの、ラーメン二郎である。グルテンフリーのロハスどもが全員裸足で逃げ出して、ひと汗かいて家に帰るようなおぞましいジャンクフードだ。曲がりなりにも健康に気を遣う人間が口にすべき食べ物では決してない。ところが、僕はこれを月に最低2回は食べている。他にも揚げ物だって食べているし、手間暇をかけて身体に悪そうなメニューも色々と作っている。 だが僕はそれ以外ではロハスどもと肩を組んで仲良く並走している。毎日食べる弁当は脂身の少ないタンパク質と歯ごたえのある根菜が中心で、わざわざ作り置きしている。毎日、カロリーと栄養素を勘案してあすけんの女にまずまずの得点をもらっている。一日の終わりには輸入もののマルチビタミン剤も飲んでいる。 Read more

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