2021/01/20

カーネルアップデート失敗からの復帰

本日午前8時頃。いつものように淹れたてのコーヒーを片手に意気揚々とArch Linuxを立ち上げようとしたが、エラーにより起動しなかった。画面上にはFaild to open file: initramfs-linux-zen.imgの文字。対象となっているファイルの名称からブート関連の障害と推定される。 そういえば、昨日行ったアップデートにカーネルの更新が含まれていたような気がする。恐らくこの過程でなんらかの問題が生じたのだろう。 Read more

2021/01/03

構想中の短編小説一覧

■火星統一戦争ドキュメンタリー(仮題) ・あらすじ 月・地球間の宇宙旅行が当たり前になった時代。映画監督の主人公は月から離れた自由宙域で宇宙船を使った新作映画(この時代では現代でいうところの飛行機を使う映画と同等の規模)を撮影していた。 しかし、火星方面より飛来したデブリ群が宇宙船を直撃。航行不能に陥り通信機能を全損した宇宙船は、救援も得られないまま火星へと流されてしまう。この時代、火星は二つの勢力に別れ統一戦争の真っ最中だった。かつて地球連合政府が無責任な介入を繰り返した結果、戦況は泥沼化の一途をたどっており、地球側が完全不干渉を宣言した後も戦争は終わっていなかったのである。 Read more

2020/12/29

二本の短編小説を書いた所感と解説

二本の短編小説を書いた。ワンアイディアのものと、活劇性の高いものをそれぞれ一本ずつ。僕はこれまで短編を書いたことがないわけではないが、基本的には新人賞狙いの長編一辺倒でやってきた。 今思えば長編小説は執筆に時間がかかりすぎて、浮かんだ構想を文章に起こして試すには長丁場すぎるきらいがあったと言える。結果として未完成の原稿ばかりが堆積していき、実際に応募まで進んだ作品はごく少数に留まった。 そこへいくと短編は書きやすい。キャラクターの造形をそこまで深堀りする必要がなく、思いついたテーマをすぐに単一の物語として働かせることができる。短編賞、それもSFの短編賞はほとんどないので実益に結びつきにくいところはやはり欠点になってしまうが、中長期的に見れば決して無駄ではないように感じた。 Read more

2020/12/27

対革命耐性

 被害者は九十二歳の高齢女性。死因は自動車の衝突による全身打撲、および内出血。事故現場は都市低層部の二車線道路沿い。 被害女性は脳内に緊急用身体制御インプラント『フェイルセーフ』を着用していたが事故当時は作動せず、なんらかの理由で身体機能を失調し、歩道から車道にはみ出したものと思われる。 この時、走行中の自動車の運転ソフトウェアは被害女性を完全に検知していたにも関わらず、停止や回避を行わないまま通常速度で正面衝突した。搭乗中のユーザは車内の保護システムにより無傷。 Read more

2020/12/11

主観現実権

 早川はこの日、勤めている会社のオフィスにある一室に呼び出されていた。旧弊な彼の会社は今時でも都内に広いオフィスを構えており、そのうちの大半の部屋は明らかに使用されていなかったが、毎日決められた時間にロボット掃除機が巡回しているおかげでどの部屋も常に清潔さが保たれていた。それは、今しがたドアをノックしたこの部屋も例外ではなかった。 殺風景なその一室には印象の薄い何人かの若手社員がいた。そして無個性なモノトーンの長机とパイプ椅子が、二者を隔てる形で置いてあった。「早川部長、さっそくですが」中でもとびきり若そうに見える男が椅子から立ち上がり、目線と手の動きで着座を促した。彼はごく反射的に言われるまま座ったが、すぐに後悔した。こんな従順な態度を示していたら今からどんなにやりこめられるかわかったものではない。そう悟るやいなや口から声がすばやく飛び出した。 Read more

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