2024/11/12

身体感覚を取り戻すために

実はこないだから日記をしたためていた。このブログとは別の、紙にペンで書く方だ。毎日、手近なメモ帳に300文字ほど書きなぐっている。なにかを始めようとする時、やたらと形を整えるのはあまり良い筋ではない。モチベーションを行為ではなく形式に委ねてしまうと、その枠から外れた途端に継続力を失うからだ。 一ヶ月ちょっと経ち、もともと使い古していたメモ帳を使いきった。改めて読み返すと、日を追うごとに文面がやや長く技巧を帯びているのが分かる。なにしろ手書きはundoが効かないので、当初は書き損じを倦んで平易に表現せざるをえなかったのだ。だが、何週間も文字通り手を動かしていたおかげで指先と脳の間の経路が潤滑されたらしい。だいぶましになってきている。 Read more

2024/11/04

Kindle Paperwhite(第12世代)のテンション低めな雑感

6年も共に暮らしたKindle Oasis(第9世代)に別れを告げて、ついに新しいKindle端末を購入した。これまでにも何度か買い替えの機会をうかがっていたものの、ページ送りボタンを搭載した新型が改めて出ることはなさそうだとようやく諦めがついたのである。 物理ボタン付きのE-ink端末自体は他にもたくさんある。楽天Koboにもあるし、BOOXやらBigmeやら、最近は競合他社の存在に事欠かない。それらの多くはより完全なAndroid OSを搭載してもっと広範な用途に向いていたり、Kindleに先んじてカラー対応のE-inkディスプレイを備えていたりする。 Read more

2024/10/29

Rust製CLIファイラ「Yazi」を使う

ターミナル上からすべてを操作したいと願う者にとって、ファイラは是非とも備えておきたい代物の一つである。いかに我々が小洒落た種々のランチャやコマンドで日常の用を足せるとしても、ファイラの機能性に助けられる機会は少なくない。そのたびに任意のGUIファイラを起動してマウスをポチポチとやるのは少々惜しい。 CLIのファイラはすでに色々ある。古くにはrangerがあるし、Goで書かれたミニマルなlfというのもある。実際、後者の方をたまに使っていた。とはいえ、まあ、せっかくなので新しいものを試したい。そこで、今回はYaziを選んだ。それにしても自分がRustを書いているわけじゃないのにRust製って言われたら気になってしまうのはなんでだろうね。マイナー界のミーハーかな。 導入 Arch Linuxならpacman -S yaziで簡単に手に入る。macOSもbrewが使えるならbrew install yaziで入手可能だ。公式ドキュメントでは同時にfdやfzfなどもインストールするように指南されているが、どうせ皆さんはとっくに入れていることだろう。対して、Ubuntuなどだと若干面倒くさい。公式リポジトリにパッケージが用意されていないのでCargo経由で導入する必要がある。 Read more

2024/10/23

目と脳が一致しない三十路のカラースキーム探し

目が疲れてメガ疲れた。およそ3年半前、Monokaiの輝きに眼球が敗北して他のカラースキームに乗り換えたのは未だ僕にとって記憶に新しい。あの後、実は乱視が回復していたり眼鏡を買い替えて視界が良くなったりなどの僥倖に恵まれたものの、やはり寄る年波には勝てないというのが正直な感想だ。 服とか道具とかにビビットな配色を選ぶのは一向に差し障りがない。僕の水筒はピンクだし、弁当箱もピンクだし、布鞄の一つはオレンジだ。これらは時々しか目に入らないから脳の欲求が常に優先される。しかし、カラースキームだとそうはいかない。 なにせ毎日最低8時間、色付けされた文字列を見つめ続けなければならないのだ。モチベを保てるのはせいぜい昼過ぎまでが関の山。夕暮れ時には気を抜いた目ん玉にマゼンタやらオレンジレッドやらの光線が容赦なく突き刺さる。3年半前にはアラサーとか言って茶を濁していた僕も、気がつけば三十路の世界に堂々入場を果たしていた。 Read more

2024/10/15

(企業側で)転職フェアに行ってきた

土曜日。休日出勤である。本来は先輩の社員が行く予定だったのだが、代休目当てに(平日はゴルフ場が安い)仕事を強奪したのだ。人から奪い取って得する上に感謝までされることってなかなかない。しかし、あまりにも目先の欲に囚われて請け負ったものだから、当日の段取りがろくに頭に入っておらず電車の中で一夜漬けならぬ朝漬けをする羽目と相成った。 結局、典型的な指示待ち人間と成り果てた僕は会場に着くやいなや、右に貼れと言われた用紙を貼り、左に置けと言われたプレートを置き、気づけばそれなりに見栄えのするブースが出来上がっている。同様に、前後左右に並ぶ他社のブースも各々の特色をめいいっぱい凝らしたであろう装飾で満ちあふれていた。 Read more

©2011 Rikuoh Tsujitani | Fediverse | Keyoxide | RSS | 小説