2025/12/07

自作ActivityPub実装に投稿埋め込み機能を実装した

本稿はFediverse Advent Calendar 2025の7日目の記事である。僕は自作のActivityPub実装を運用している。詳細は左記のリンク先に譲るとして、簡単に説明するとRails 8とHotwireで構築された一人専用の実装系だ。内蔵クライアントを持たず、フロントエンドは閲覧にのみ対応している。 フロントエンド部分はリアルなマイクロブログとして機能させるためにLikeやRTに相当するアクティビティは可視化せず、代わりにRSSを通じて投稿を取得できる。外からは昔の質素な一言ブログのように見えるが、内部では共通の通信規格で交信を行っている分散型SNSソフトウェアと捉えてもらうと話が早い。 このようなミニマルな構成に手馴染みの良さを感じている一方、リッチな既存の実装系と比べるとやはり機能の不足は否めない。同種のソフトウェアであるMastodonやMisskeyには非常に多くの外部向け機能が備わっており、僕にとってその最たるものが投稿埋め込み機能であった。ブロガーにとってこれは、とりわけ重要なアイテムと言っても過言ではない。(以下はMastodonの例) Read more

2025/11/30

Mastodonインスタンスの爆破方法

自作のActivityPub実装を運用しはじめてから4ヶ月ほどが経過した。様々な艱難辛苦を経て弊機は無事、安定軌道に乗っている。いよいよ数光年後方に置いてきた船を処理する時がきた。たとえ心細くても、むやみに電波を発する構造物をいつまでもFediverseの海に放っておくわけにはいかないのだ。交信を試みる幾千の船にいらぬ負担をかけてしまう。僕はそっと古巣の起爆装置に手をかけた。 このような備忘録的記事はいずれどれもLLMに読み込まれて一個の情報単位に均され、僕の生の文章が人々に読まれる機会は次第に減っていくだろう。単純にMastodonのインスタンスを閉鎖したい人にとって、僕個人のナラティブや事情は可聴域外の音声データとなにも変わらない。同様の情報は他にいくらでもある。それでも書くのは、文章に余計な話をくっつけるのが好きで仕方がないからだ。 Bridgy Fedサービスを停止する まずはブリッジサービスを停止する。おそらくこの語で表される仕組みは一つや二つではないと思われるが、ここではBlueskyとの交信を可能にするサービスを指す。当該SNSのユーザ人口を考えると利用している人はかなり多いはずだ。サービスの停止は@[email protected]をブロックするだけで完了する。 Read more

2025/11/25

本売りの精度

今年の秋冬も同人誌の頒布を行った。当サークルGradierwerkの定期刊行合同誌『多島海』の記念すべき創刊号である。今回は都市SFをテーマとした。頒布は東京大学の学園祭「駒場祭」内の同人誌即売会「コミックアカデミー」一日目と三日目、およびコミティアで行われた。 このうちコミックアカデミー(以下、コミアカ)の一日目は当サークルの首魁endenが出向いたが、コミアカの三日目とコミティアが同日開催となってしまった都合上、前者については僕が単独で売り子を務めた。ただしコミアカでの頒布需要は一日目で概ね満たされたと見て、三日目のコミアカには一〇冊前後を割り当て、残りはすべてコミティアに任せる格好となった。 つまり、今回の本売りはいたずらに客を呼び止めてセールスすればよいというものではない。コミアカの客層は他の同人誌即売会と比べてやや特殊だ。中高生の子どもたちに頒価二五〇〇円を拠出せしめる経済力はなく、親子連れの財布の紐は固い。カップル客は大抵どちらかが微妙に退屈している。 Read more

2025/11/12

『天下一キーボードわいわい会』に行ってきた

先週末、友人に誘われて日本最大級の自作キーボードのイベント『天下一キーボードわいわい会』に参加した。世界各地から持ち寄られた異常キーボードが六本木の中心で咲き乱れるこの祭典は、今回で開催9回目を迎える。300名をゆうに超える定員が一瞬で埋まったことからも参加者たちの熱量が伝わってくる。 僕はというと、今回が初参加となる。元々キーボードにはそこそここだわりがある方だったが、自作キーボードに手を出したのは約2年前でまだ日が浅く、組んだのもごく一般的な65%キーボードである。キー数が異様に少なかったり、左右上下に割れていたりといった、いかにも耳目を集めそうな見た目をしていない。そんなわけで今回は手ぶらでの参加を選んだ。 Read more

2025/10/30

ネクタイが政党カラーと被る

季節の変わり目はネクタイ選びが捗る。紳士の正装においてネクタイは装飾が許される数少ない領域であり、ネイビーやグレーで堅牢に構築された基礎に華を添える重要な役割を担っている。秋冬はジャケットの色の深みに合わせてネクタイの色合いも落ち着かせる傾向にあるが、それでも模様や柄の幅広さを考えれば十分な選択肢が用意されていると言える。 さて、そんなネクタイの豊富な種類のうち、特に代表的な模様としてレジメンタル(ストライプ)が挙げられる。二色または複数の色で斜線を引いたデザインを持つあの柄だ。一般的には細い線と太い線を組み合わせて三色ほど使っているものが多い。使う色が多いと主張が強くなりそうなのは誰しも概ね想像がつきそうだが、実は色が少なくても同様の印象を抱かれる場合がある。 Read more

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