2024/01/29

腕環境改善Ⅰ

指先はだいぶ満足したので腕の環境も充実させなければならぬ。言うまでもなく、腕にはまっているのはスマートウォッチなのでこれを腕環境と表すことができる。2年半前、僕はXiaomi Mi Watchを買った。ちょうどランニングが板についてきた時期で、より携帯性の高いGPS機能を求めていた。いちいちスマホを持っていくのが面倒だからだ。ランニングは軽装であればあるほど望ましい。 当時の基準からするとMi Watchは十分に有用な機能を持っていた。1万円足らずの実勢価格にしてはほとんど申し分がない。正直に言うと、2年半経った今でもこれで事足りないことはない。買い替える理由は単なる気まぐれである。当初、僕が欲しかったのはNothing(あのNothing Phoneを出している会社だ)のサブブランド「cmf」によって発売されたcmf Watch Proだった。 Read more

2024/01/21

デスク環境改善Ⅱ

ついに想像の中のキーボードを具現化する時が訪れた。金は大層かかったが満足している。僕にとってキーボードとはもっとも本質的かつ重要なインターフェイスであり、人生でもっとも打ち込んだものの一つに他ならないからだ。そんなふうに自分に言い聞かせれば翌月、改めてクレジットカード明細を目にした際の震えも多少はやわらいでくれるに違いない。 Bakeneko65 Keychron Q2 Proの体験に気を良くした僕は次の段階に進んだ。キーボード基板部分をさらに細かく検討して、ケース、構造、PCB、プレートも吟味する。前回の記事で予告した通り、二台目にはBakeneko65を選んだ。シンプルなO-ringマウントのアルミニウム筐体に、ホットスワップ対応のPCB、プレートはポリカーボネードより固く、ステンレスよりは柔らかい複合素材のFR-4。オープンソースハードウェアでもある。 Read more

2024/01/16

論評「THE CREATOR」:王道と向き合う勇気

はじめに この映画自体が公開されたのは昨年だが、様々な事情の末に僕が本作を視聴したのはDisney+を通じてだった。というのも、本作のあらすじにはどうにもぬぐいがたい不信感が潜んでいたからだ。もったいぶるまでもなく簡単に説明すると、本作は高度に発達した機械(人工知能)と人間が対立を余儀なくされる話である。 うわあ、なんて斬新な世界観なんだろう! 今すぐ映画館に駆け込んで、どんな物語なのか観なくちゃ!……と、思うような人は、たとえSFに明るくなくても今時いないだろう。誰でもすぐにターミネーターやマトリックスを脳裏に描くことができる。もう少し詳しい向きなら、ブレードランナーやアシモフ作品を連想するかもしれない。 Read more

2024/01/07

自転車環境改善Ⅱ

どうやら三が日は連日強風続きだったらしい。買い物に繰り出そうとして駐輪場に向かったところ、自転車の群れが横薙ぎにばたばたと倒されていた。途中、近隣住民が自転車を取り出そうとして無理をしたのか、周辺にはぞんざいに放り投げられた車体も散らばっていた。まったく不幸なことに、そのうちの一台が僕の自転車である。 お分かり頂けるだろうか。Vブレーキからブレーキケーブルがちぎれてしまっている。長さが足りないので単純に嵌め直しても機能しないだろう。ならばとケーブルを新調したあたりで、さらなる異変に気がついた。この角度ではよく分からないと思われるので後日わざわざ写真を撮り直した。 Read more

2023/12/31

地面と対話するためのインターフェイス

ランニングを始めた頃、僕が最初に買ったシューズはアシックスのJOLT2だった。見た目は少々無骨だが頑丈で、文字通り駆け出しのランナーを保護するための機構が盛り込まれたプロダクトだ。その上、非常に安い。Amazonだと4000円台で手に入る。僕は今でもランニングを始める人には自信を持ってJOLTを勧める。現行のJOLT4はきっとさらに改良が進んでいるのだろう。 履いた時の感触はいかにもがっちりしている。踏み込むと、やや固い。地面の固さが伝わっているのではない。ソールが一枚岩を象って地面の凹凸を吸収している。それゆえ走り方や路面状況に脚部が侵される心配はほとんどない。なにかと故障の絶えない初期のランニングにおいて極めて重要な要素を満たしている。 しかし、走り出して数ヶ月も経つと他の選択肢が欲しくなってくる。念に念を入れて厚着した服をだんだんと脱ぎたくなるように、一度解放されてみたいという気持ちが強まってきたのだ。順調に習慣化が進んだセルフご褒美の側面もある。そこで、次に選んだのがアディダスのPureboostとAdizero RCだ。 Read more

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