2023/03/05

分散できないのはどう考えても僕たちが悪い

2016年にMastodonってのが出た。なんでも自由にサーバを建てられるから巨大資本に言論統制されないらしい。ちょうど真新しさに飢えていた人々はさっそくこれに群がった。かくいう僕もその一人だ。学生が建てたサーバがパンクして企業が支援を申し出たり、政治家がお忍びでアカウントを作ったりなんかして、しばらくお祭り騒ぎになった。 しかし分散型SNSが負の側面を露呈せしめるのは割と早かった。自由にサーバを建 Read more

2022/09/10

レスバ欲に抗う

赤の他人に議論を持ちかけてまともに成立することはまずありえない。理想形の議論を完遂させるには相手との信頼関係が必要不可欠だからだ。あけすけな言い方をすれば、友好を損ねたくない後ろめたさこそが議論を成り立たせていると言える。むろん、赤の他人相手にそんな余地は存在しない。 ましてや議論をふっかけてくる赤の他人はただの赤の他人でさえない。初っ端から意見が対立している。つまり敵だ。エネミーだ。好感度はゼロじ Read more

2022/09/04

黒人エルフと雇用均等

Amazon Prime Videoにて歴史的ファンタジー大作「ロード・オブ・ザ・リング」の最新シリーズ「力の指輪」が絶賛公開中だ。僕はJ・R・R・トールキンの原作小説は中途半端で映画化作品しかまともに観ていないが、2話目の段階でかなり期待の持てる出来だと感じた。 その「力の指輪」についてだが、浅黒い色の肌をした俳優がエルフを演じていることで物議をかもしている。この俳優はプエルトリコ出身なので本当は黒人ではないものの、人 Read more

2022/07/24

表現の自由の競争的側面

前提として、われわれがいま認識している「表現の自由」とは実質的に市場原理に基づくものであり、率直に言えば能力主義の産物である。 もし「表現の自由」が単に束縛を受けずに喋ったり書いたりできれば満たされうるのであれば、たいていの専制国家はそれを実現することが可能だ。誰もいない空室とか、閉じられたネットワーク環境でのみ表現を認めればよい。今風に表すと「壁打ち」だけ許せば事足りるということになる。 もちろん自 Read more

2022/05/25

人を増やすことのろくでもなさ

少子化はなにも日本に限った話ではない。中国や韓国もそうだし、アメリカやEUもそうだ。およそ先進国とは呼べない経済規模の国でさえ、出生率は減少傾向にある。極めつけは上記の画像だ。13億人超もの国民を誇り、間もなく中国の人口をも抜くと言われているあのインドが、とうとう人口置換水準を下回ったのである。 人口置換水準とは文字通り、その地域において人口を維持できる合計特殊出生率の値を表している。大抵は2.0と Read more

2022/03/22

アンチリコメンデーションとしてのラジオ習慣

ラジオ(SONY ICF-506)を買った。今やラジオはインターネットを介しても聴けるし、情報リソースとしてなら他にいくらでも仕入れ先が存在する。にも拘らずあえてラジオを買った理由は、もちろん停電やインターネットの断絶を見越してのこともあるが、それ以上にライフスタイルの反映を兼ねてもいる。 現在、ウェブのそこかしこでせっせとリコメンデーションシステムが働いている。動画を観る時、音楽を聴く時、ググる時、 Read more

2022/02/25

地に足のついた祖国防衛議論

西暦2022年2月24日、名実ともに戦争が始まった。タイムラインを更新するたび、色濃く象られる戦争の実像に僕はすっかりあてられてしまった。今まさに、われわれと同じ人間が、別の同じ人間の手によって砲撃され、銃撃され、その肉体をずたずたに引き裂かれているという現実のむごさには耐えがたい恐怖を覚える。 どうやら僕は現代国家の理性をずいぶん高く見積もりすぎていたらしい。確かに、銃弾や爆撃に斃れる人々は今まで Read more

2022/02/22

消極的ハイレゾ不要論

これまでは情報量が増えるぶんには損はないだろうと考えて曖昧にハイレゾ音源を受け入れていたが、今後はできる限りCD音源で入手するようにしたい。仮に入手可能な音源がハイレゾしかない場合は44.1kHzにダウンサンプリングしてすべてCD音質相当に揃える。この運用方針には僕のリスニング環境が関係している。なお、本エントリはむっちゃ長いので一番下の項の「まとめ」だけを読んで済ませても構わない。 なぜミキサーを Read more

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