2025/03/19
自己認識の強化
先週末、ついに本命ピアスが届いた。丸一ヶ月も待った甲斐があり、ケースから現れたそれは僕の目論見通りの端正な造形美を湛えていた。ピアスは肌身に着ける装飾品の中でも特に最小の部類に位置するにもかかわらず、その凝縮された美しさゆえに極めて強大な文脈を蓄えることができる。
ここで重要なのは文脈を創出するのは必ずしも装飾品の作り手ではなく、それを身に着ける者にも可能なところだ。事実、僕が買ったのは「スクエアデザインのチタンピアス」という文言以外には大した説明がなく、これから書き記す事柄はどれも僕が勝手に作り出した代物に過ぎない。しかし、どんな内容であれ独自の物語を備えた装飾品は、その瞬間から持ち主にとっては他の既製品を超えた輝きを放ちはじめるのである。
さて、僕は今回の邂逅を通じてある種の情報工学的な文脈を三つほど見出した。結果的にプログラマとしての自己認識を強化する機会に恵まれたと感じている。まず第一に、このピアスが四角い枠を象っているところに着目してもらいたい。
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