2024/03/03

皆さん技術書どう読んでる?

小説や漫画は電子でも技術書は紙、という人はかなり多いんじゃないかと思う。アバウトに書き込めるし、付箋を貼り付けられるし、マーカーも引ける。ぺらぺらとめくって雑に読むこともできる。それくらいタブレットでもできると言われても、システム上の制約があるのとないのとじゃ大違いだ。 しかしその一方で、技術書は重い。デカい。よりによって繰り返し世話になるリファレンス的な本ほどページ数も多い。500ページ超えはざらの世界だ。にも拘らず、ひょっとすると一冊では済まないかもしれない。これではもう「ぺらぺらとめくる」などと悠長なことは言っていられない。どう考えたって検索の方が早い。いわゆる書見台の類も、こんなに分厚い本は想定して作られていない場合がほとんどだ。真ん中あたりばかり開くのなら別だけどな。 Read more

2024/02/25

DockerなしでBlueskyのPDSを建てる方法

晴れてBlueskyの連合がスタートした。厳密には、我々はBlueskyの構成要素の一つであるPDS(Personal Data Storage)をセルフホスティングできるようになった。これにより各ユーザは自分のデータを自らの管理下に置くことができる。また、他ユーザの登録を許可しているPDSに移動すれば権威的ではない他の個人にデータを預けられる。 一方、MastodonやMisskeyなどと異なるのは、モデレーションやフィードの生成、固有IDの半永続的な管理を担う上位の構成要素が存在しているところだ。これらは膨大な計算資源を要するため、個人でのホスティングは実質不可能とされている。つまり、PDSは文字通り個人データの保管庫であって、あらゆる制約から逃れられるわけではない。公式のルールに違反する投稿は依然として処罰の対象になりうるし、まだ前例はないが他のPDSとの連合から排除される可能性も考えられる。 Read more

2024/02/10

Blueskyの眺め方 初版

■改訂履歴 2024/03/20 ハッシュタグと日本語話者フィードに関する記述を修正 はじめに 本稿は分散型SNS「Bluesky」の基礎的な理解を促す目的で記された文章である。主に登録開放以降に初めて参加した新規ユーザを対象にしている。この文章を通じてXと似ているようで違うBlueskyの輪郭が朧げにでも伝わると幸いだ。 Blueskyの現状 2024年2月現在、Blueskyは競合SNSと比べて明らかに機能性に乏しく、中には運営陣の方針から将来にわたって実装される見込みが低いものも存在する。まずはそれぞれの違いを下表にて示した。なお、独自機能を持つフォークの実装系は本稿では考慮しない。 Read more

2024/01/21

デスク環境改善Ⅱ

ついに想像の中のキーボードを具現化する時が訪れた。金は大層かかったが満足している。僕にとってキーボードとはもっとも本質的かつ重要なインターフェイスであり、人生でもっとも打ち込んだものの一つに他ならないからだ。そんなふうに自分に言い聞かせれば翌月、改めてクレジットカード明細を目にした際の震えも多少はやわらいでくれるに違いない。 Bakeneko65 Keychron Q2 Proの体験に気を良くした僕は次の段階に進んだ。キーボード基板部分をさらに細かく検討して、ケース、構造、PCB、プレートも吟味する。前回の記事で予告した通り、二台目にはBakeneko65を選んだ。シンプルなO-ringマウントのアルミニウム筐体に、ホットスワップ対応のPCB、プレートはポリカーボネードより固く、ステンレスよりは柔らかい複合素材のFR-4。オープンソースハードウェアでもある。 Read more

2023/12/03

NeovimをさらにLuaLuaさせた

あれから一年近い月日が経った。ひとたび完結を見た僕のinit.luaはその後も進化し続け、ずいぶんIDE的な出で立ちに変貌を遂げた。当初のサブ武器としての位置付けはどこへやら、今ではすっかり長剣の顔をして鞘に収まっている。電脳空間を切り開くデジタルロードアウトはえてして可変長であり、所有者の意向次第で自在に特性を変えられるのだ。本稿では新たに増えたプラグイン群を紹介する。 jaq-nvim いわゆるタスクランナー。書いたコードを即時に実行してくれる。国内では応用の幅広さからvim-quickrunがとりわけ有名だが、元がVim用のプラグインなのでNeovim特有のUIに対応していない惜しさがあった。jaq-nvimは逆にNeovimでしか動かない代わりにfloat windowで表示できる。 設定では実行したい言語のコマンドを指定するほか、ウインドウの枠や位置を自分の好みに決められる。どうせターミナル上にいるのだからタブを開くなり、tmuxのpaneで別途実行するなりすればいいという意見もあるが(僕も昔はそう思っていた)、多少なりともワンクッションの手間を減らせる効能は意外にあなどれない。以下に設定例を示す。 Read more

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