2022/03/22

アンチリコメンデーションとしてのラジオ習慣

ラジオ(SONY ICF-506)を買った。今やラジオはインターネットを介しても聴けるし、情報リソースとしてなら他にいくらでも仕入れ先が存在する。にも拘らずあえてラジオを買った理由は、もちろん停電やインターネットの断絶を見越してのこともあるが、それ以上にライフスタイルの反映を兼ねてもいる。 現在、ウェブのそこかしこでせっせとリコメンデーションシステムが働いている。動画を観る時、音楽を聴く時、ググる時、およそなんらかの情報を得ようとすると、そいつらは仕事をはじめる。次に僕らが類似の動作を繰り返した際に、もっと僕らを気持ち良くさせるために。まったくおありがたい話だ。無尽蔵に噴出する情報の湧き水に巻き込まれて溺れる前に、飲むべき水とそうでない水を選り分けてやろうと言うのだ。おかげで僕らはひとたび好みが定まればいつも良い感じに冷えた水を飲める。水に飽きたらジュースやアルコールを選び直しても構わない。 Read more

2022/03/15

NeovimをちょっとLuaLuaさせた

せっかくNeovim専をやっているのにLua製プラグインに手を出さないのはアレかと思い、とりあえず3つほど移行させてみることにした。真のルアラーはおそらくinit.vimもLuaで書いているのだろうし、プラグインマネージャもpackerとかを使っているのだろう。だが、僕としてはそこまで一気やるのは正直面倒くさい。こういうのはやるにしてもじわじわと段階を経て触っていきたいものだ。 lualine.nvim lualine.nvimはlightlineやairlineのLua実装とでも言うべきstatusline系プラグインである。Vimの扱いに習熟していたり、モダンなIDEの仕様に慣れたユーザはデフォルトのstatuslineではとても満足できない。そこで十年近く前からstatuslineの情報量や視認性を手軽に改善する手段としてこの手のプラグインが出回るようになった。先に述べたlightlineやairlineはその中でもとりわけ知名度が高く、ほとんどのVimmerに一度は使われていると言っても過言ではない。 lualineは豊富な機能を持ちながらもLua実装ゆえの高速さを兼ね備えた、いわば期待のニューホープだ。上のリポジトリページに掲載されている起動速度の検証では、もともと重いことで知られるairlineはもちろん、ミニマルを意識して設計されたlightlineをも僅かに上回る結果を叩き出している。もっとも約2msの差が知覚できるとは思えないが、見たところLuaの知識がなくても簡単に導入できそうなので試しにやってみることにした。なお、下記の設定例はすべてdein.vimの利用を前提にしている。 Read more

2022/03/06

自炊力を底上げする調味料選び

われわれ素人が作る家庭料理は大抵の場合、ごく単純なレシピによって成り立っている。プロのように下ごしらえに何日何時間もかけるのは難しい。われわれの料理も時に趣向を帯びることはあれど、基本的には生活に根ざした営為であり、せいぜい焼いたり煮たりするのが関の山なのだ。 となると、ここで一寸考えてほしい話がある。料理の内訳がぼちぼち限られているならば、加える材料を工夫して成果物の出来を底上げできるのではないか? ――ははあ、なるほど……ブロイラーではなく地鶏を買えとか、オージービーフではなく和牛を買えとか、おおかたそんな痴れ言を抜かすつもりなのだろう……あいにくだがそれがしの懐はそこまで暖かくない。むしろ師走の宵より寒い。せいぜい他を当たることだな――ええい、待たれよ、もう一寸待たれよ、 材料といっても食材の方ではない。調味料の話をしている。 Read more

2022/02/25

地に足のついた祖国防衛議論

西暦2022年2月24日、名実ともに戦争が始まった。タイムラインを更新するたび、色濃く象られる戦争の実像に僕はすっかりあてられてしまった。今まさに、われわれと同じ人間が、別の同じ人間の手によって砲撃され、銃撃され、その肉体をずたずたに引き裂かれているという現実のむごさには耐えがたい恐怖を覚える。 どうやら僕は現代国家の理性をずいぶん高く見積もりすぎていたらしい。確かに、銃弾や爆撃に斃れる人々は今までにも大勢いた。だがそれは国家とは名ばかりのテロリスト集団の仕業であったり、もともと政情不安を抱える紛争地域の話だった。国際秩序の重要な一端を担う常任理事国が、今や隣国を手前勝手な理由で完全に攻め滅ぼさんとしているのだ。 Read more

2022/02/22

消極的ハイレゾ不要論

これまでは情報量が増えるぶんには損はないだろうと考えて曖昧にハイレゾ音源を受け入れていたが、今後はできる限りCD音源で入手するようにしたい。仮に入手可能な音源がハイレゾしかない場合は44.1kHzにダウンサンプリングしてすべてCD音質相当に揃える。この運用方針には僕のリスニング環境が関係している。なお、本エントリはむっちゃ長いので一番下の項の「まとめ」だけを読んで済ませても構わない。 なぜミキサーを迂回しなければいけないのか Windowsにはオーディオエンジンなる内部ミキサーが実装されている。かつてカーネルミキサーと呼ばれていたそれは、意図せずともわれわれが複数のアプリケーションから音を出そうとした時に機能を働かせる。だから動画を視聴している最中にもシステム音が鳴るし、ボイスチャットをしながらでもゲームの音が聞こえる。その代わりに犠牲となったのが音質と応答速度である。 Read more

©2011 辻谷陸王 | Fediverse | Keyoxide | RSS | 小説