点と接線。

メールサーバ再考

以前にこういう話 があった。かいつまむとVPSの運用を放棄したために他のメールサーバを探さなければいけなくなったのだ。僕はすでに独自ドメインのメールアドレスを12年以上運用しており、今さらGmailなどのフリーメールに鞍替えする余地は残されていない。そこで、前回の時点で最終的に選んだホスティングサービスがmailbox.org というところだった。このサービスの嬉しさは価格が圧倒的に安いことだ。わずか月額1ユーロでIMAP/POPアクセス可能、かつSPF/DKIM/DMARC対応。要するにSparkやThunderbirdといったメールクライアントから利用できて、重要なセキュリティ関連の認証にも対応している。とりわけ後者は必要不可欠だ。グレーの公衆電話でインターネットをしていた時代ならいざ知らず、今時これらに未対応のメールは即刻迷惑メールボックス送りにされても文句は言えない。

Entering

 あれは保健の時間のことだった。はっきりと覚えている。ただでさえ学年合同授業はちょっとした珍事だ。ひんやりとするアルミ天板の大きな机が並ぶ総合室で、年老いた先生がのろのろと聴診器を配っていた。聴診器は隣り合った子と二人一組の割り当てらしく、僕は不用意にくるくる回る円形のスツールを両手でがっちりと抑えながら相手の子と向き合った。その子はさらなる慎重さでスツールの回転機構への不信任を露わにして、一旦立ちあがってから姿勢を変えて座り直した。先生の話によると、今日は心臓の動きを観察する授業とのことだった。告げられたページをめくろうと机の上に手を伸ばすと、相手の子が「ううん、私が」と言って教科書を開いて見せてくれた。ポップでコミカルな外枠のデザインとは裏腹に、聴診器をあてがわれた人体図の写実感は少々不気味ですらある。目をそらすと相手の子の名札が視界に入った。千佳ちゃんと言うようだった。「うえーい」遠くの方でガキ大将のバイソンがスツールを高速回転させて、取り巻きとはしゃぐ大声が聞こえた。さっそく先生はのそっと腰を浮かせて注意に向かったが、このぶんだと彼の場所までたどり着く前に定年退職を迎えそうな印象を受けた。案の定、バイソンの悪ふざけを皮切りに治安が乱れて、ちらほらと雑談を交わしたり立ち歩いたりする子たちが現れはじめた。

Blueskyの一ヶ月前史

Blueskyに登録して今日で一ヶ月と十日が経過した。といっても、iOS端末を持たない身分の僕に最初の十日はあってなかったようなものだ。今でこそ公式のWebクライアントがリリースされ、それを凌ぐ利便性を備えた非公式クライアントが群雄割拠しているが、当時はかろうじて投稿が行える程度に留まっていた。やむをえず交流を諦めて排便記録を投稿していると徐々に各種クライアントの機能が充実してきて、じきにフォロワー欄を確認できる形になった。ありがたいことにもう数名からフォローを頂いている。とはいえフォロワー欄を確認できてもフォローボタンがまだ実装されていなかったため、仕方がなく僕は排便記録を続行した。

選挙カーは無気力な僕らの代償

僕が住むマンションの一室は二車線道路に面している。窓を覗くと中学校の校庭が一望できて、歩道は街路樹の占有部分を差し引いてもだいぶ広い。別に立地環境を自慢しているわけではない。これが選挙カーにとっていかにうってつけかを説明している。今は統一地方選挙の真っ最中だ。住宅地なのに二車線道路が通っているおかげで選挙カーをゆっくり走らせても邪魔になりにくく、歩道が広いため往来者も多い。最寄り駅にもほぼ地続きだ。拡声器でもってアンプリファイアされた大音声はマンションの各部屋に届くのみならず、未来の有権者が集う学校にまでも行き渡る。こんな理想的な場所で選挙カーを走らせない手はない。そんなわけで在宅勤務者の僕は、ここのところ日がな一日彼ら彼女らの声を聞かされている。