2022/05/25

人を増やすことのろくでもなさ

少子化はなにも日本に限った話ではない。中国や韓国もそうだし、アメリカやEUもそうだ。およそ先進国とは呼べない経済規模の国でさえ、出生率は減少傾向にある。極めつけは上記の画像だ。13億人超もの国民を誇り、間もなく中国の人口をも抜くと言われているあのインドが、とうとう人口置換水準を下回ったのである。 人口置換水準とは文字通り、その地域において人口を維持できる合計特殊出生率の値を表している。大抵は2.0とちょっとをキープできていれば均衡的と見なされるが、件のインドの数値はジャスト2.0。つまり今後これが回復しなければ、インドはいつの日か少子化に突入してしまうのだ。かの巨大国家でも人口減少には抗えない。この絶望的な事実をどう捉えるべきかちょっと考えてみたい。 Read more

2022/03/22

アンチリコメンデーションとしてのラジオ習慣

ラジオ(SONY ICF-506)を買った。今やラジオはインターネットを介しても聴けるし、情報リソースとしてなら他にいくらでも仕入れ先が存在する。にも拘らずあえてラジオを買った理由は、もちろん停電やインターネットの断絶を見越してのこともあるが、それ以上にライフスタイルの反映を兼ねてもいる。 現在、ウェブのそこかしこでせっせとリコメンデーションシステムが働いている。動画を観る時、音楽を聴く時、ググる時、およそなんらかの情報を得ようとすると、そいつらは仕事をはじめる。次に僕らが類似の動作を繰り返した際に、もっと僕らを気持ち良くさせるために。まったくおありがたい話だ。無尽蔵に噴出する情報の湧き水に巻き込まれて溺れる前に、飲むべき水とそうでない水を選り分けてやろうと言うのだ。おかげで僕らはひとたび好みが定まればいつも良い感じに冷えた水を飲める。水に飽きたらジュースやアルコールを選び直しても構わない。 Read more

2022/02/25

地に足のついた祖国防衛議論

西暦2022年2月24日、名実ともに戦争が始まった。タイムラインを更新するたび、色濃く象られる戦争の実像に僕はすっかりあてられてしまった。今まさに、われわれと同じ人間が、別の同じ人間の手によって砲撃され、銃撃され、その肉体をずたずたに引き裂かれているという現実のむごさには耐えがたい恐怖を覚える。 どうやら僕は現代国家の理性をずいぶん高く見積もりすぎていたらしい。確かに、銃弾や爆撃に斃れる人々は今までにも大勢いた。だがそれは国家とは名ばかりのテロリスト集団の仕業であったり、もともと政情不安を抱える紛争地域の話だった。国際秩序の重要な一端を担う常任理事国が、今や隣国を手前勝手な理由で完全に攻め滅ぼさんとしているのだ。 Read more

2022/02/22

消極的ハイレゾ不要論

これまでは情報量が増えるぶんには損はないだろうと考えて曖昧にハイレゾ音源を受け入れていたが、今後はできる限りCD音源で入手するようにしたい。仮に入手可能な音源がハイレゾしかない場合は44.1kHzにダウンサンプリングしてすべてCD音質相当に揃える。この運用方針には僕のリスニング環境が関係している。なお、本エントリはむっちゃ長いので一番下の項の「まとめ」だけを読んで済ませても構わない。 なぜミキサーを迂回しなければいけないのか Windowsにはオーディオエンジンなる内部ミキサーが実装されている。かつてカーネルミキサーと呼ばれていたそれは、意図せずともわれわれが複数のアプリケーションから音を出そうとした時に機能を働かせる。だから動画を視聴している最中にもシステム音が鳴るし、ボイスチャットをしながらでもゲームの音が聞こえる。その代わりに犠牲となったのが音質と応答速度である。 Read more

2022/01/10

持続性ダイエット

本エントリの内容は2019年の夏から翌年の春にかけて、約8ヶ月の期間で計17kgの減量(80kg→63kg)に成功した僕の個人的な経験に基づいている。ダイエットにあたり採用した手法は概ね再現性が高いと思われるが、メンタル面に関しては主観的な記述も多く含まれている。これはつまり、後述の例を完全にこなせる限りにおいては減量を確約できても、そこにたどり着くまでのタフネスやモチベーションは各々で調達・維持するしかないことを意味する。そして実のところ、それこそがダイエット成功の唯一の鍵なのだ。 Read more

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