僕がネパールに行ったわけではない。お隣のネパール人が里帰りから戻ってきたのだ。彼と僕の間には暗黙の取り決めがあり、日本語能力に自信のない彼に代わって僕が面倒な公共手続きを代行している。今回の例で言えば、一時帰国の際に必要なインフラ周りの停止・再開申請が当てはまる。その見返りに、僕はネパール土産を受け取る。
夏の終わり頃に郷里へと飛び立った隣人は今月、額に真っ赤な第三の目を塗りつけたまま帰ってきた。これはティカというヒンドゥー教に伝わる伝統的な印で、彼は帰国のたびに地元の神官から儀式を経て賜り、すでに四人の子どもがいるにも関わらず繁栄力をパワーアップさせて戻ってくる。入浴で自然に落ちるまでは当面そのままでいるらしい。
本稿はFediverse Advent Calendar 2025 の7日目の記事である。僕は自作のActivityPub実装 を運用している。詳細は左記のリンク先に譲るとして、簡単に説明するとRails 8とHotwireで構築された一人専用の実装系だ。内蔵クライアントを持たず、フロントエンドは閲覧にのみ対応している。
フロントエンド部分 はリアルなマイクロブログとして機能させるためにLikeやRTに相当するアクティビティは可視化せず、代わりにRSSを通じて投稿を取得できる。外からは昔の質素な一言ブログのように見えるが、内部では共通の通信規格で交信を行っている分散型SNSソフトウェアと捉えてもらうと話が早い。
自作のActivityPub実装 を運用しはじめてから4ヶ月ほどが経過した。様々な艱難辛苦を経て弊機は無事、安定軌道に乗っている。いよいよ数光年後方に置いてきた船を処理する時がきた。たとえ心細くても、むやみに電波を発する構造物をいつまでもFediverseの海に放っておくわけにはいかないのだ。交信を試みる幾千の船にいらぬ負担をかけてしまう。僕はそっと古巣の起爆装置に手をかけた。
このような備忘録的記事はいずれどれもLLMに読み込まれて一個の情報単位に均され、僕の生の文章が人々に読まれる機会は次第に減っていくだろう。単純にMastodonのインスタンスを閉鎖したい人にとって、僕個人のナラティブや事情は可聴域外の音声データとなにも変わらない。同様の情報は他にいくらでもある。それでも書くのは、文章に余計な話をくっつけるのが好きで仕方がないからだ。
今年の秋冬も同人誌の頒布を行った。当サークルGradierwerk の定期刊行合同誌『多島海』の記念すべき創刊号である。今回は都市SFをテーマとした。頒布は東京大学の学園祭「駒場祭」内の同人誌即売会「コミックアカデミー」一日目と三日目、およびコミティアで行われた。
このうちコミックアカデミー(以下、コミアカ)の一日目は当サークルの首魁endenが出向いたが、コミアカの三日目とコミティアが同日開催となってしまった都合上、前者については僕が単独で売り子を務めた。ただしコミアカでの頒布需要は一日目で概ね満たされたと見て、三日目のコミアカには一〇冊前後を割り当て、残りはすべてコミティアに任せる格好となった。